復職名人が読む三手先

Centro Salute

この番組は、産業医の高尾総司、弁護士の前園健司、社労士の森悠太の三名が、企業や自治体の人事・健康管理に携わる方向けに、メンタルヘルス不調者対応や健康管理について、議論をしていくポッドキャストです。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 https://peing.net/ja/takaomethod%E2%81%A0 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210%E2%81%A0 read less
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第61回|オンラインスクール・地方会の感想/質問への回答
4日前
第61回|オンラインスクール・地方会の感想/質問への回答
今回は先日行われた対面研修と地方会の感想とそれを踏まえた議論、二つの質問への回答をしました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:ボジョレーヌーボー前園:産業保健だいすきと書かれた赤いハッピをもらいました森:子どもが産まれました。オーディオインターフェースを新しくしました ■川島先生を交えた研修会 川島先生のプロフィール合理的配慮とアファーマティブアクション障害の医学モデル・社会モデル・人権モデル保護の対象から、権利主体としての尊重という大きな流れ「権利がある」という話と「権利を濫用しても良い」という話は別 ■第68回 中国四国合同産業衛生学会(地方会) プログラム隙間のないスケジュールにしてしまい、みなさまにご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした“間隙”が読めるか問題森からのレク→ゾノ先生からの質問→ゾノ先生のレク→森からの質問→全体からの質問という流れが良かった産業保健職として、人事といかにコミュニケーションをとっていくのか人事・上司をいつの間にか引き込む研修プログラム動画を用いた療養開始時説明 ■質問1製造業で産業保健師をしております。先日、上司の方から部下への対応について相談したいと申し込みがあり、近々その上司と面談予定です。この上司への対応について悩んでおり、先生のご意見をお聞かせいただきたく質問いたします。対象者は入社数年の若手社員で、構成人数少数の職場で働いています。その対象者の生産性は期待するレベルに対して2〜3割で業務を指示してもできない、プライドが高く、指摘するとあからさまに態度に出るため周囲が疲弊している、といった状況です。まずは、その対象者の本来実施するレベルの業務を上司から与えて遂行できなければ適切に指摘する、を繰り返し、それにより体調を崩すことがあれば療養となるのかなと思っております。もし療養しないということであれば、先生の著者から言葉を引用しますと、「『メンタル不調者ではない』として働かせるならば、『職務怠慢として処分されるべき』」ということになるでしょうか。ただ、その場合「このままだと処分されます。」と本人へ伝えるように上司に話すのはあまりにも直接的かなと思い、もしそのように話を持っていくとするとどのように上司に伝えるのがよいでしょうか。そもそもこの考え方に誤解がある、ズレがある、方向性が違う、といったことがあればご指摘いただけますとありがたく存じます。以上、よろしくお願いいたします。 保健師と上司だけで対応するのではなく、人事を交えて、面接シナリオも準備して、計画的に対応していくことが必要個人モデル→上司モデル→病気モデル・・・あくまで私たちの説明は法人としてどのように対応するか、というメッセージ今後の展開を見越すと、早い段階で家族の関与を得ておく方が良い発達障害疑い人事の役割と責任。人事の成果(失敗)がハッキリするまでのタイムギャップコーチングの弊害少しずつ解決していくたらい回しはアリでは ■質問2復職判定を中途採用の面接で例えるのは、とても分かりやすかったです。療養後の復職希望時に働ける状態であることを説明するのは労働者本人ですが、サポート役としての保健職から、「採用面接を受けるつもりで復職準備する必要がある」ことを本人に伝えても問題ないですか? その説明の解釈が受け手次第でどちらにも転びうるので、かなり慎重な立場ですこの面接1回だけで何かしようとするのか、療養開始時からの長い流れの中で何かしようとするのかで、大きく異なる復帰準備がなかなか整わないケースで、予備予備面接を実施して、自分の状態を客観的に理解してもらう方策を取ることはある説得と説明の違い柔軟性の確保の勘所は、労務管理的な観点での理解が必要かもしれない
第60回|専門家を交えたチーム対応
29-10-2024
第60回|専門家を交えたチーム対応
今回は、地方会のテーマでもある「専門家を交えたチーム対応」について議論しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:最近、山陰地方によく出かけています前園:鼻炎のような不調が続いています森:孫が生まれた時にお世話できるか心配です ■専門家を交えたチーム対応 我々3人の取り組みを言語化できたら・・・専門家:法務・労務の専門家社内チームでの対応と、専門家チームによる後方支援は整理できるチームとグループの違いについてチーム医療の実態定常的な対応なのか、問題解決的な対応なのか専門家チームによる後方支援は、事例の軌道修正のデモンストレーション。自分たちでできるようになって、社内チームで対応を完結してもらって構わない専門家が交わることによって、社内のチーム対応が促進される?社内チームが自立していくには、フィロソフィーを理解し腹落ちしてもらうことが不可欠フィロソフィーを理解するためには、哲学的な思考が必要→事例検討会を哲学カフェ化する?お聞きのリスナーの中で、哲学者がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください!リーガルチェックでは何をするの?権利を全て行使されてしまうと立ち行かなくなる日本の企業の問題
第59回|月経困難症と生理休暇
07-10-2024
第59回|月経困難症と生理休暇
今回は、産婦人科医で産業医もされている上松先生をゲストに招き、月経困難症と生理休暇について議論しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:研修医同期の先生に会って、健康が大事だということを再認識しました前園:こころの健康がみえる(病気がみえるvol.16)発刊するそうです森:七五三の撮影をしてきました ■上松先生のプロフィール 2003年医師免許取得。以降産婦人科で勤務2019年岡山大学産業医研修会受講現在は神戸近辺で10社くらい産業医活動を実施 ■月経困難症と生理休暇 ある女性社員の問題です。毎月数日の生理休暇及び体調不良により有給休暇の取得があり、月に4、5日休んでいる状態です。本人に確認するとメンタルヘルス不調ではないようです。女性特有の症状で指摘しにくいのですが、どのようにアプローチすればよいのでしょうか。生理休暇を適切に取得していないと思われるケース、具体的には翌月の予約をする、毎回土日などにつなげて取るなどの女性社員が一定数いて、どのように対応したらいいか、頭が悩ませているという事例があります。裁判上は、「生理休暇の不正取得」というキーワードが上がってくるが、これは裁判というかなり限られた話でもある(昭和60年の労基法改正における議論を踏まえて)「国家公務員についても、生理日の就業が著しく困難な場合をどのように取り扱うか検討されたが、生理日における下腹痛、腰痛、頭痛等の強度の苦痛により、就業困難な場合は医学的にも月経困難症の範ちゅうに属し、疾患の一つと考えられるところから(中略)病気休暇として取り扱うものとしている」ー公務員の勤務時間・休暇法詳解(第5次改訂版)前提として、「本当に必要な人が生理休暇を適切に利用できて、一方で不正取得はできるだけ防ぐ」という方向で議論をする。後者だけにとらわれないママブロック。親世代の価値観が、適切な治療の妨げになっている。全社員向け教育は最初の一歩月経困難症が重い場合、生理を年に3〜4回にまで抑えるような治療(低用量ピルの処方)も可能生理休暇とは別に、治療費補助をする方向性は考えられるか低用量ピルの副作用、産婦人科産業医として治療をどこまで強く勧めるか職場の健康管理施策と、職域という場を活用した健康管理施策生理休暇制定当時と今の状況は大きく異なる。「労基法制定当時も、生理休暇を法制化するにあたって労務法制審議会の委員の間でも激しい応酬があったように聞いているが、一説には、GHQがアメリカになかった生理休暇の法制化に理解を示した原因は、終戦後の日本の便所を含めた衛生設備と衛生用品の劣悪さにあったとするものがある(ジュリスト増刊『労働法の争点』「120生理休暇」林弘子、二八二頁)」ー地方公務員の<新>勤務時間・休日・休暇(第3次改訂版)生理休暇を取得した時点で、産業保健職から適切な治療(少なくともスクリーニング目的の受診)を勧めるようにしてはどうか。その際に、生理休暇の制度の趣旨について、説明するのはどうか「生理の周期はほぼ一定ではあるけれども、その取得方法において、必ず週休日に接続して請求されている場合や著しく周期が不規則である場合等で、そこに作為が感ぜられる場合は、本人に生理休暇の意義・趣旨を徹底させる措置をとるなり、本人の健康管理の意味も含めて医師の診断を受ける措置をとるよう指導することは差支えない」ー地方公務員の<新>勤務時間・休日・休暇(第3次改訂版)生理で就労は著しく困難だが、在宅勤務なら可能、という状況はあり得るか生理に対するタブー意識とセクハラ問題「生理痛を我慢するメリットって何にもないんで、多少痛かったら、痛み止めで治まらないようであれば、ピルとか使った方がいいと僕らは思ってるんです」皆勤制度は今後も維持すべきか。健康である状態を頑張って維持したことに対する褒賞について就労困難や生産性低下という事象に対して、上司から休業を命じる対応を取れるようにする
第58回|産業保健法学会感想戦
29-09-2024
第58回|産業保健法学会感想戦
今回は、先日行われた産業保健法学会の特別講演に関する感想を共有しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:人工知能によるメンタルヘルス休職者の復職判定支援前園:福岡空港門限問題森:出張の時の朝ラン始めました cf.第53回 ■産業保健法学会の感想 プログラム前園:応援団が来てくれて嬉しかった。時間配分が反省森:色々な人から、少しずつ観点の違う話が聞けて面白かった。神田橋先生の疑問は解消したのだろうか?高尾:柔らかく包み込まれていくようないい雰囲気だった。徐々に高尾メソッドが高尾から離れつつあり嬉しい2025年日本産業衛生学会@仙台では、金曜日の夕方に大きな会場で自由集会を実施する予定です!様式の使い方がメソッドなのではなく、考え方がメソッド。「メソッドを知るのではなく理解すること」が重要哲学としての高尾メソッド哲学というよりは集団に対する倫理学的な内容成り立ちは問題解決。そこから帰納的にまとめてきたという点では哲学的戸谷洋志「NHK出版学びのきほんー哲学のはじまり」「当たり前」を問い直す学問こそ、哲学に他なりません。哲学的に自分で考えているかどうかのポイント:第一に、自分の言葉で説明し直すことができる、第二に、自分自身で考えついた、適切な具体例で説明することができる、第三に、どんな質問に対しても首尾一貫した回答ができるメソッド導入初期の、過渡期的な事例への対応と、導入完了後の標準的な対応は、やや異なる職場は働く場所である?労働契約が原則のはずが、修正されまくっている労働法の世界法学の問題点とリーガルマインド医学の問題点とブラックボックス哲学する医師会場からの質問の意義とは次回は、女性特有の健康課題について議論する予定です!
第57回|ゲストからの質問!健診事後措置における産業医の責任
09-09-2024
第57回|ゲストからの質問!健診事後措置における産業医の責任
今回はゲストに参加いただき、質問への回答を行いました。ゾノ事務所での現地収録です。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:アルファロメオのエアコンが効くようになりました前園:職場復帰支援のパンフレットを置くようになりました森:台風の最中、東京からなんとか帰ってきました ゲストからの質問ー健康診断の立ち位置とは?健康診断事後措置として、要受診とか要休業といった就業判定を産業医としてしているのですが、「こういう根拠があるからこういう数値の人には休ませなさい」っていうものが存在していないかと思います。一応コンセンサスという形で「こういうところでそういう就業制限かけてますよ」というラインはなんとなくあるんですが、どういう判定をしたらいいのかっていうのが正直まだ手探りなので、皆様のご意見を教えてください。 健康診断の歴史的経緯について検診結果における「医師の診断」と「医師の意見」の違いとは親代わりの健康管理を求める安衛法第三者に危害を及ぼすかどうかという判断基準安全配慮義務の履行と、賃金請求権のリスクのバランス基本的には、義務の履行は使用者にあるので、産業医にまで責任が及ぶことは考えにくい社外取締就任時の保険加入と産業医の委託プロとして、ドキドキしながら仕事をすること、正しかったのか振り返ることは、いつまでも続ける必要がある健康維持のために気をつけるべきこと中の人募集中です!
第56回|【質問】定時後の衛生委員会/導入過渡期の対応について/禁煙施策の進め方
01-09-2024
第56回|【質問】定時後の衛生委員会/導入過渡期の対応について/禁煙施策の進め方
今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。中の人を募集しています! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:ボストンに行ってきました前園:安全配慮義務にいにのアカウントを発見しました森:映画のエキストラに参加してきました ■質問1来年度から新規で始まる嘱託産業医先の衛生委員会が、その会社の定時外の17時30分(おそらく定時は17時)からの開始でとの通達がありました。業務終了後の方が参加率が良いとのことらしいです。。。産業保健に関わるものなら、直感的に良ろしくないのは誰しもわかると思います。「業務時間内に行うべき衛生委員会を就業時間外に行うというのは時間外業務を助長し、いかがなものかと思う」のとように今後衛生委員会の中で、指摘し改善していこうと考えているのですが、論理に客観的根拠を持たせたく、先生のこれまでのご経験でこのような事例への対応や労基署からの是正勧告などの例はありますでしょうか。うまく説明しないと産業医VS社員(労使一体)の構図になってしまう可能性も高いかと考えております。御回答よろしくお願いいたします。 確かに理屈上、定常的な会議である衛生委員会を時間外に行うことは問題かもしれないが、委員に対して時間外手当が支払われている限りは、是正勧告の対象にはならないのでは?衛生委員会以外にも時間外労働が多いのであれば、質問者が懸念されている通り、時間外に対する意識がルーズになっているという点で問題。一方で、時間外労働が多くない可能性もあるかもしれない。所定時間は労働密度を上げて仕事をこなし、こうした会議のみを時間外に行うということであれば、必ずしも悪いわけではないのでは。ちなみに組合活動は、時間内にできないので、時間外にこんな感じでやってました。 ■質問2製造業の産業医です。就業上の措置として、例えばうつ病からの職場復帰時の夜勤制限や、糖尿病のコントロール不良に対し目標値に改善安定するまで長時間残業や夜勤制限の意見書を出したり、就業制限解除まで定期的な面談や指導などの個別対応を数年来行ってきました(人事は長期化や難渋事例以外は産業保健スタッフにほぼお任せの状態です)。しかし実際難渋事例が発生したことがあり、そんな時にメソッドに出会い、これまでのやり方のまずさを実感しています。全体最適化のためにはいずれ社内でメソッド導入したい・すべきと考えていますが、自分自身もより理解を深める必要があり、社内制度としても確立させるまでの、その過渡期に、同様の事例(これまで一時的な軽減業務を要すと判断していたもの)が発生した時の対応にジレンマがあります。また、民事裁判で配置転換や軽減業務等を検討すべきだった、などという判例を見るとちょっと揺らぎます。過渡期の対応にアドバイスをいただけますと幸いです。 過渡期は、問題意識を持っている人と持っていない人が混在している状態。問題意識や解決策の共有を図ることが重要賛同者が少ない場合には、伏線だけ張っておいて、「ほら見たか」作戦をとることは有効かもしれない賛同者が一定数いるのであれば、導入初期から全従業員に一律同じ対応をすることは諦め、一部事例から試験的に導入を進めていくと良い。制度導入から手をつけている組織は、あまりうまく行っていないように思うフィジカルの問題とメンタルヘルス不調を比較すると、フィジカルの問題から関与する方がやりやすい健診事後措置と休職者対応だと、健診事後措置から関与する方がやりやすい ■質問3喫煙割合が3割以上と高い職場で、健康管理を担当しています。社内で数年かけて屋内禁煙→就業時間内禁煙→敷地内禁煙へ(決定事項)と、段階的に喫煙対策を進め、同時に禁煙を希望する喫煙者へ禁煙支援(禁煙外来の費用補助)を行っています。しかし、禁煙する気のない喫煙者からは、喫煙対策は人権侵害だとかタバコ離席中も携帯がつながるし仕事のことを考えているとか、禁煙したらイライラして仕事にならない(つまり、タバコが吸える環境でなければ通常勤務できない?)とか、言いたい放題の人もいます。先生なら喫煙者にどう指導されますか? 喫煙者の意見も、既得権としてはある程度保護すべき。それを踏まえて禁煙施策としては、将来的な方針を決めた上で、段階的に進めていくことができていて、良いと思う。あとは法定の休憩時間内の禁煙までできれば完璧医療的なアプローチから、喫煙者を無理やり禁煙させることはできない。そのため、1〜2割程度の喫煙者が残ることは仕方ないそれよりも、会社が決めた方針に対して、決める過程での意見ではなく、決めた後に色々と文句を言う姿勢は、適切とは言えないおそらく、喫煙者の文句に対して、いちいち反論をしているから、このような言い争いのようになっているのではないか。会社の考え方として、FAQなどを作成して、まとめて回答するようにしてはどうか喫煙者を0にしようとするあまり、追い込みすぎるのも良くない
第55回|【質問】母健連絡カードの取り扱い/人材不足でも原職復帰か/産業保健職の役割
30-07-2024
第55回|【質問】母健連絡カードの取り扱い/人材不足でも原職復帰か/産業保健職の役割
今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。中の人を募集しています! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:健診結果に対してお怒りです前園:安全配慮義務おじさん森:対話を重ねることは大事だと思いました ■質問1母性保護規定・母性健康管理制度との関連について。妊娠中の女性の健康診査等の結果、主治医が休業や通勤緩和、勤務時間短縮等の措置が必要であると判断した場合「母性健康管理指導事項連絡カード」を記載、女性が事業主に提出・措置を申し出た場合、事業主は記載内容に応じた適切な措置を講じる義務がある、とされています。メソッドでは、通常勤務に支障がある場合は療養が前提と思いますが、母健連絡カードの内容は、(休業または)軽減業務が前提となっています。妊婦で申し出があった場合は、主治医の指示の通りの軽減措置を行うことになりますか?(業務遂行が十分可能な状態に回復するまで休養してもらうのが良いと思いますが、主治医の指示で軽減業務で働く意思を示されている状態)社内では、このような場合は母性保護のため休養を勧めることを、予め周知しておくのが良いでしょうか。妊娠は期間限定なこと、出産に向け産前産後休暇を取る見込みがある状態で就業する点は、他の疾病とは異なるため、質問させていただきました。 主治医の指示通りに軽減措置を取るのではなく、母健連絡カードの提出とともに本人からの申し出を受けて、必要な措置を会社が判断して行う(実質的に、母健連絡カードの内容通りの措置を取ることにはなるが、こうしたステップを省略しないことが大事)正直、ちょっと苦手な分野です。。。妊娠は期間限定であり、また妊娠という事情が解消すれば、通常勤務ができることが前提なので、こうした軽減勤務も許容して良いのでは休業は制度化して行うというよりは、状況に応じて説得して行うことが想定されるので、周知もお勧めはできない ■質問2人材不足で、これまで様々な分野で勤勉に働いていた社員が病気になり、たまたまその時に従事していた原職の業務に支障があっても、他の業務なら十分な遂行能力で実施できるのであれば、他の業務を与えることで本人は活躍できますし、会社としても人財を守りたいです。人材不足の中で、原職にこだわる必要性から本人の休養期間が長期化すれば、他の社員が疲弊することも考えなければなりませんが、やはり原職にはこだわる必要がありますか? 全従業員に同じ対応ができるのか。対労働者集団、という観点を持つと良い勤勉な方だが、原職のみ不適合で、かつそれが原因でメンタルになり、他の業務なら全く問題ないという状況は、想定しずらい人材不足だからと言って、不十分な状態で復帰させて働かせるというのは、たまたま本人の希望と合致しているからそれに便乗しているだけで、結果的には労働力を搾り取ろうとしていることに他ならない人材を守るために原職復帰の例外とするというのは、原職復帰を維持すると辞めるかもしれないということ?その前提はおかしいのでは復職時の異動ではなく、復帰後に通常勤務へ移行してから異動させることは差し支えない ■質問3これまで、社内で心身の不調を早めに相談し、早期の適切な治療や就業上の措置につなげたり、復職支援を行うために、常勤の産業保健職を配置し体制づくりをしてきました。一方メソッドでは、産業保健職の相談や面談を勧めていないと思います。産業保健職にはどういうスタンスでいさせればよいでしょうか。 医療的健康管理をやるな、という話はしていない。整理した上で取り組むことは問題ない業務的アプローチだけでも良いが、医療的アプローチがあれば機動的になる障害の医療モデルと社会モデル安易な受診勧奨は勧めない、療養勧奨はあり復帰基準が明確化すると、人事・上司の役割、産業保健職の役割がはっきりする。すると本人の役割がはっきりする復職か退職か、という考えに陥らないために、退職がない休職という思考実験をしてみるゾノと森は、医療的には素人だけど、復職に関しては名人です
第54回|【質問】原職復帰の原則について/労災の場合は?
22-07-2024
第54回|【質問】原職復帰の原則について/労災の場合は?
今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾:札幌自前研修、11月29日に那覇でやります前園:島根に行きました森:「主治医」という単語だけ文字化けしました ■質問1人間関係のストレスで休職した社員が復職する際、メソッドでは元職場への復帰が基本だと思いますが、職場の方から、原因となった人と引き離すために班を変えたり、本人の経験や資格を活かせる部署に異動させる、等の方法で解決したい場合があります。どちらが明らかに悪いということではなく「馬が合わない」ことでお互いストレスとなり生産性が下がる懸念がある場合など、引き離した方が職場としても管理がしやすいように思います。会社の都合(総合的判断)での異動と考えれば、メソッドとしても問題ないでしょうか? 総合的判断=恣意的判断理屈として考える:原職復帰の例外は何?例外に当たる?感情面での消化:裏を返して考えると、総合的判断=恣意的な判断原職復帰の原則である、という話をしてから考えよう引き離して一件落着した、というケースはあるかもしれないが、それだけで済むわけではない復職時に対応しないメソッドとメソッド以外高尾メソッドはメンタル対応?→メンタル対応に限定しない ■質問2原職復帰の原則の質問の回答を拝見し、とても考えさせられました。仮に、「事業者側の責めに帰すべき事由」があった場合は、”例外”となるでしょうか?先の質問にあった疾病で考えると、月100時間超の時間外労働をしていた管理職(デスクワーク)が、心・脳血管疾患を発症して後遺症が残った場合や、業務車両の運転中に交通事故被害で高次脳機能障害になる場合など。労災認定の有無により対応も変わるでしょうか。また認定結果が出るまでの期間の復職対応も教えていただけると幸いです。 労災認定の有無によって対応は変わらない業務上外の区別を重視する立場もあるようだが・・・契約条件の大幅な変更(切り下げ)はほとんど解雇と同等でないか。法的地位があるかどうかと、損害賠償請求権があるかどうかは、別の問題打切り補償と解雇権濫用法理が争われた裁判例:専修大学事件(東京高判H28.9.12)
第53回|【質問】復帰可否判断のコツ/ストレス対策と称して遊んでいる/後遺症で原職復帰ができない場合
29-06-2024
第53回|【質問】復帰可否判断のコツ/ストレス対策と称して遊んでいる/後遺症で原職復帰ができない場合
今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾 調子が悪くて鼻声です前園 法哲学回(第50回)をガチ産業医先生に取り上げてもらいました森 忘れ物が多くなりました ■質問1先生こんにちは。 労務管理視点で見たときに、復職時は会社として何が担保されていればヨシとしたら良いでしょうか。 ストップ要件だけは必ず設定しておく通常勤務ができることは、多少形式的であれ確認しておくこれまでお伝えしてきた様々なことを踏まえて、自分たちで考え、自分たちで検討し、自分たちで決めていくことが重要 ■質問2週一報告書にストレス対策として「カラオケや飲み会をしている」と書いて提出がありました。こんなにも価値観が違うものかと愕然としていますが、なんと伝えたら良いものやらと困っています。高尾先生ならどう伝えられますでしょうか。共有いただけると幸いです。 受領書で「良いとはいえません」というフィードバックをしていく業務時間外・休職中の行動をどこまで指摘できるのか、主治医が良いと言ったらどうするのか、悩ましいのは分かる。一つ一つの行動に対して指摘するのではなく、療養中は適切な行動を取るように指摘するあえてこうした報告をしてくるのは、暗黙の承認を求めている側面もあるのではないかストレス対策について、その良し悪しは判断せず(できないので)、具体的に検討できているか判断する失敗しても良いのだから、思うように指摘してみて、困ったら「どうしたら困らなかったのか」と考えてみてはどうか ■質問3はじめまして。産業保健職です。原職復帰の元職場・元職位・元職務での完全な労務提供を考えたとき、どうしても元職務の身体活動はできないような病気があると思います。例えば脳梗塞による麻痺や心筋梗塞後の心不全など後遺症がある場合、元職位相当の、元業務とは異なるデスクワークなど(部署異動が必要となる場合も)を準備して復職させる対応で良いのでしょうか?また、軽度の高次脳機能障害などの、元職位相当の業務ができない場合はいかがでしょうか?ご教示いただけますと幸いです。 復帰とはあくまで別次元の問題として、契約の変更等を協議していく場面なのではないか復職プログラム上の話として、原職復帰の話を機械的に行う。その上でどうみても難しいという話を本人からされるのであれば、原職への復帰は諦めて、労働条件の切り下げを伴う変更について議論するが、これは復帰とは別ラインの話医療的に考え、医療職として救おうとしすぎると、対応が複雑になってしまう
第52回|【質問】身体疾患の場合の対応/健診の法定外項目の取り扱い/家族との連絡の取り方
18-06-2024
第52回|【質問】身体疾患の場合の対応/健診の法定外項目の取り扱い/家族との連絡の取り方
今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。皆さまからのご質問もお待ちしております。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾 飲みたかったワインを現地では満足に飲むことができませんでしたが、岡山の馴染みの店に普通に置いてありました。まさに灯台下暗し。前園 Apple Pencilが過放電になりました森 この1ヶ月で46回〜51回と、自由集会2本を公開しました。 ■質問1企業で復職に携わっております。精神疾患の復職手順や基準は、判例も踏まえて見解が固まってきたかと思います。これに対し、身体疾患の場合はいかがでしょうか?ネット等で検索しても、「メンタル不調者の復職」の記事はあれど、身体疾患についてはあまり言及がありません。個人的には、結局、労使の間に結ばれた労働契約に照らすという点では、精神疾患も身体疾患も、復職の判定基準としては変わらないのではないかと思うのですが…社内には、精神疾患は産業医にも意見を聞きつつ慎重に、身体疾患は主治医の診断書で復職可(本調子ではないから半日勤務しかできなくとも、それで復職可)という意見があり、それでいいものかなと首を傾げております。 基本的には、身体疾患もメンタルヘルス不調と変わらずに対応する従来型のフィジカル(怪我など)は職場にもわかりやすく対応に困っていなかった。近年の両立支援が必要な身体疾患は、メンタルヘルス不調同様に、対応が難しくなるかもしれないなぜメンタルヘルス不調者の対応に苦慮するのか。それは職場が悪い学習をさせた側面がある。となると、両立支援も同様の難渋事例が生じる可能性があり、注意が必要である精神疾患の復職手順や基準は、判例も踏まえて見解が固まってきただろうか?特定の疾患を対象とした優遇措置は、裏を返せば他の疾患への差別であり、あまりお勧めしない ■質問2法定外の健診 (胃バリウムや腹部エコーなど)を健保の補助で受診可能なのですが、健診結果を会社に開示する同意が得られない場合は、費用補助しないと言われました。出来れば、検査結果は本人にのみ返却し、本人からの相談には対応という形にしたいのですが、上手く健保を説得する方法はないでしょうか? 背景は、健保として受けっぱなしを防ぐために、産業医からも精検・再検への受診勧奨をしてほしい、というもの健康情報取扱規定を考えれば、本人抜きでこうした議論が行われていること自体、前近代的法定外項目の「検査結果は本人にのみ返却し、本人からの相談には対応という形」は私たちもお勧めしている方法である ■質問3【法定外の健診】さんに引き続いて…結局、法定外項目もぜーんぶ会社に集まってしまうのですが、うちは法定項目のハイリスクしか受診勧奨してないので、がん検診とかでひっかかってる社員に受診勧奨してないのが非常に気になる産業医が「わたしには結果が見えないようにしてほしい!」と言われます…見えたら全員すべき!というお考えのようで…会社は健診機関じゃないので、目的がちがうのにな、と思いますが、健診機関に法定だけ結果ください、もなかなか難しいです。また、産業医がおっしゃるように、受診勧奨を絞って、法定だけやるのは間違いなのでしょうか。 安全配慮義務上、不必要な情報を会社が知っていると、予見可能性を高めることになりかねない従業員自身の自律的な健康管理が必要なのだと思うが、親代わりの健康管理体制はいつまで経っても変わらない産業医としての苦悩もわかるので、「産業医が結果を見たまま放置していた」とならないように、事業者に対して適切な対応を指示しておく ■質問4独身の社員のメンタル不調について家族に伝えたい(社宅住まいの場合は実家で療養するよう話をしたい)のですが、その社員が家族と疎遠だったり、実家には兄弟家族が同居しているため実家での療養が難しかったりで、対応に困るケースに遭遇することがあります。このような場合、どのようなアプローチが考えられるかご教示いただけますと幸いです。 家族の誰を呼ぶかは本人に委ねる家庭内の状況については、会社から色々と考えすぎない(邪推して、先回りした配慮をしすぎ)。家族に任せる家族への連絡について、本人が拒否することがあるが、後で一悶着あるかもしれないが、今の困った状況を解消するためには、連絡は絶対にすべきである。連絡を取ることを前提に対応を考えれば、その方法はいくらでも思いつくだろうそもそも「私傷病により療養している」という事実そのものは、職場の人は誰しもが知っているのだから、個人情報に当たらないのではないか。
第51回|【質問】復帰判定のコツ/時期尚早な復帰希望への対応/プライベート要因でパフォーマンス低下
11-06-2024
第51回|【質問】復帰判定のコツ/時期尚早な復帰希望への対応/プライベート要因でパフォーマンス低下
今回は質問箱に寄せられた質問について、回答しました。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■雑談 高尾 足が良くなりました。学会で宇宙飛行士と会いました。前園 なぜ働いていると本が読めなくなるのか森 エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術 ■質問1欠勤や休職を繰り返す社員が、次は大丈夫です働けますと言ってきた場合、何をもって十分復職準備が整ったと判断すればいいでしょうか。毎回指示した提出物は揃えてきます。 基本的には、復帰準備完了確認シートで全ての項目に最上位に丸がつけばそれでよし本人を諌める形で、復帰準備の不足部分を指摘しても良いが、それでも復帰するというのであれば復帰させて、ダメならストップ要件の方で対応すれば良い手順通り対応していれば、医学的にも時期尚早な復職は防ぐことができる一回で全てを打開しようとしすぎない適切な距離感をとり、本人を適切に困らせることが重要 ■質問2休職や欠勤を繰り返す社員が、心療内科の主治医から、コロナ罹患の影響が大きいため1ヶ月療養の診断書を提出してきました。常識的にみてもメンタルの増悪により通常勤務ができない状態ですが、1か月後には働けますと言ってくると思われます。人事面談での確認ポイントをご教示いただけますでしょうか。 本格的な療養導入を目指して、人事面接を実施する。真の意味での通常勤務をするのか、それともまだ療養を継続するのか選ばせる軌道修正のイメージ 軌道修正は早ければ早いほど良いが、難しければ無理せず、次に早いタイミングで軌道修正できるよう伏線だけ張っておく難しいことは何も考えず、手順の説明をするコロナ後遺症を理由とした、不完全労務提供が生じることが問題1ヶ月で復帰させるために、週2〜3の頻度で報告をさせるパターンもあり ■質問3プライベート要因で休職し、問題が解決したため復職しましたが、また同じ要因で不安定になっている社員がいます。欠勤はないものの、パフォーマンス低下は見られます。安定して勤務ができるまで療養してもらうほうがよいでしょうか? パフォーマンス低下に対して、指摘や注意指導を行う。私傷病を理由に改善しないのであれば、療養導入していく要因や原因に囚われすぎない。要因や原因がなんであれ、通常勤務ができていない点が問題 その他 高尾メソッドで整理するパワハラ研修について
第50回|法哲学から産業保健を考える
10-06-2024
第50回|法哲学から産業保健を考える
先日行ったポッドキャスト合宿回の5本目です。法哲学について議論しています。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容 法哲学で勉強したことが正義感や倫理観に結びついている。私たちの正義はどこからきているのか、探求してみたい具体的なケース|メンタルヘルス不調により、軽減勤務が必要という診断書が出ていて、軽減勤務をしているが、賃金は満額出ている。この状況は正義と言えるのかベンサムの「最大多数の最大幸福」では、助けられる1人の幸福VS負担を負う9人の幸福で考えると、9人が勝つと考えるカントの定言命法「汝は、汝の意志の格率が、常に同時に普遍的立法の原理として妥当しうるように行為せよ」功利主義は、行為がもたらす結果を評価して判断する。結果無価値論。一方で義務論は、その行為自体が正しいと言えるのかで判断する。行為無価値論。伝統的には、職場で困っている人がいたら誰でも助けるべきという義務論的な考え方があった。会社の余力がなくなってくる中で、義務論の考え方が変わりつつあるが、変化を消化できないと感覚的に良しとできないのかもしれない自分たちが相手にするのは、従業員個人なのか従業員集団なのか、そうした視点があることに気づくと、考え方が変わる日本では、守れないルールを作るから、「全てのルールを守らないといけないわけではない」という考え方が生まれがち。使えるルールがなかったから、そして使えないルールしかなかったから、うまくいかなかった。曖昧なルールしかなかった次の時代に向けて、ルールを明確化にすることで、多くの誠実な労働者を救うことを考慮すべきではないだろうか高尾メソッドは統治功利主義的。ルール作成・ルール変更のタイミングでは、功利主義で考える。その上で日頃は、できたルールは守るある事例対応をする中で、一貫した対応をとること、他の従業員にも同じ対応を取れるように対応することは、結果的にルールを作るということでもあるルールを策定する上で、感情は加味されるのか。ルールを検討する過程では感情は抜きに議論するが、ルールを策定する過程で、感情を加味した政治が生じる この先は議論が拡散していったので、まとめられませんでした・・・
第49回|解雇回避努力について
10-06-2024
第49回|解雇回避努力について
先日行ったポッドキャスト合宿回の4本目です。対面の機会を活かして、解雇回避努力について詳しく議論しています。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容 1. 片山組事件の影響 「片山組事件」は解雇回避努力の先例として扱われているが、本当に適用できるのか整理解雇では、事業者の責めに期すべき理由による解雇なのだから、解雇回避のための最大限の努力を求められるが、私傷病の場合は事業者に落ち度がないため、同程度の努力が求められるかは議論の余地があるのではないか 2. 解雇権濫用法理 解雇は客観的合理的理由と社会通念上の相当性を必要とする客観的合理的理由として、解雇事由があることと、解雇回避努力を尽くしたかが求められる。シャープNECディスプレイソリューションズ事件では、休職期間を満了したというだけではダメで、解雇回避努力を尽くしたかが指摘されている個人的には、形骸化した休職期間を費やしただけでは解雇回避努力を尽くしたとは言えないので、休職期間中の関わりを充実させることが重要だと考えている整理解雇はやや特殊な類型なので、個人における退職は、別に考える必要がある 3. 職務適正について 低位な職務もできないのに、高度なスキルができないという現実が、見逃されているように思える。検討はすべきだろうが。休職期間の残がまだあるはずなのに、解雇回避努力としての配転の検討をしないといけないというのは、順序が間違っているのでは医師が指示する配転は、本人の希望を反映している場合が多いのでは採用時と復職時はやや異なるかもしれないが、継続的な契約関係を前提とした一時的な職務制限であればまだしも、現実的には未来永劫の制限(特別扱い)になっている解雇回避努力バージョンの主治医意見書として、「通常勤務可能」「○ヶ月後には通常勤務ができる見込みがある」「見込みがない」の3択バージョンを作っても良いかもしれない 4. 契約解除と新契約の提案 平行線を辿った後の最終的な結論は、雇用契約終了後に新たな契約を提案することが合理的なのではないか解雇回避努力の一環として、契約変更(新たな契約の締結)の提案をそもそもすべきなのだろうか現実的には、新契約の待遇について、労働者の期待と実際の契約条件のギャップが問題となる新契約提案時には慎重な対応が求められる。これを産業医に言わせようというのは、到底無理な話で、下手な期待をもたせかねず、紛糾しかねない 5. 復職支援としての高尾メソッド 世で言われている解雇回避努力を尽くした後の現実は、実はかなり悲惨それよりも、適切に復帰基準を定め、原職復帰を求め、それでは満了退職になってしまう場面で、これまでのような対応をする方が、一見本人の希望を尊重していないように見えて、誠実な対応なのでは良い従業員には寄り添い型の対応をしたくなるが、復職後に職務遂行能力を発揮して欲しいと思うのであれば、良い従業員にこそ、メソッドに沿った対応をすべき良い従業員は救い、悪い従業員はこの際にやめさせたい、というようなとんでもなくブラックな企業には、そもそもメソッドは使えない医療職は人の命を扱うことを覚悟しているが、事務職はそのような覚悟はしていない泣くほど苦労して、上司が部下のケアをしないといけない状況はおかしいのでは感情的になったり、助けたいという思いを強く持ちすぎると、うまくいかない苦手でできないことから逃げても良いというのは、甘やかし的な支援で、結果的に本人のためになっていない厳しさは外部機関に求めるのが、結果的にうまくいかないのかもしれない
第48回|産業医基礎研修会カリキュラム後半編
05-06-2024
第48回|産業医基礎研修会カリキュラム後半編
先日行ったポッドキャスト合宿回の3本目です。前回に続いて、産業医基礎研修会のカリキュラムブラッシュアップを行いました。 余っている資料集を、送料だけご負担いただく形で配付しますので、ご興味がある方はDMを送ってください! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】 ⁠⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】 ⁠⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠⁠ ■話した内容 1. カリキュラムについて 基礎研修会の募集案内はこちら (1) 近年の労働安全衛生法改正 近年の改正を踏まえたアップデートを行う近年に限らず、安衛法の変遷を辿ってみても良いかもしれない最後に化学物質の自律的管理にも言及する (2) 両立支援 やや応用的なテーマではあるものの、産業医への期待が大きい分野なので触れておく何も考えずに両立支援に取り組むと、周囲の負担が非常に大きい医療的な支援になりがち産業活動全体を通した注意点として、周囲の負担は視野に入れる必要がある (3) 喫煙・禁煙対策 職場における健康管理の重要なトピックゴールはすでにはっきりしていて、就業時間内禁煙+出社前45分の禁煙である経営層へのアピールポイントとして、経済的な観点についても言及する (4) 職場における感染症対策 新型コロナ感染症の感染初期における対応を踏まえて、次の未知なる感染症が生じた場合に、産業医としてどのように対応するかを説明しておく在宅勤務については、研修では触れないものの、資料には加えておく (5) 就業規則と健康管理(実地) モデル就業規則を題材に、実際に生じうる場面への適応、就業規則の改正について検討するボトムラインは、就業規則を頭から最後まで、実際に読んでもらうことにある (6) 産業医面談・意見書の書き方・衛生委員会 業務的健康管理というゴールに向けて、現実場面をどのように対応していくのか。具体的には面談は実施しないといけないだろうが、その場合にどのように対応するのか、説明する意見書については、トレーニングとしては有用だが、やや現実場面にそぐわないかもしれない (7) 健診事後措置①・② 昨年までよりも、①で従来型のやり方と、それでうまくいかない部分を解説し、②で対応策を説明する健診事後措置を医療的なアプローチで対応していると、効果はほとんどでない。それどころか、労働者集団の平均年齢が上がる傾向にあるため、悪化する場合がほとんどである。そのため仕組みによる対応が不可避 (8) ストレスチェック 一時期よりは下火になっているテーマだが、産業医活動をする上で避けられないものであるため、取り上げている (9) 健診事後措置(実地) 事後措置の判断が難しい事例をいくつか取り上げる個人ワークではなくグループワークとして実施しても良いかもしれない (10) 人事総務担当者との連携・健康経営 健康経営も、産業医活動をする上で避けられないテーマなので、概略を触れている倫理について、功利主義と義務論について取り上げる (11) 過重労働対策 36協定等の説明これまで時間外労働を削減してきたTipsを紹介する (12) 過重労働面接 医師の過重労働対策としての面接指導動画は紹介できるかもしれない家族の関与を入れていたが、メンタルヘルス不調に移行させる (13) 作業環境測定の実習 検知管を使った、二酸化炭素と酸素濃度の測定をする照度・騒音・黒球温度の測定 (14) これからの産業保健(労働法の観点からの示唆) ゾノ先生にゲストとして参加してもらい、労働法としての観点から質問への回答をする
特別編|自由集会「労務管理と産業保健研究会」2024
03-06-2024
特別編|自由集会「労務管理と産業保健研究会」2024
今回は、第97回日本産業衛生学会の自由集会の様子を収録いたしましたので、その編集した音源を公開いたします。 会場でハウリングしてしまったので、やや聞き苦しいところがあるかもしれませんが、ご了承くださいませ。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容 1. 満了直前の復帰可能の診断書休職期間満了直前に、「復職可能」の診断書が出された場合に、どのように対応すれば良いでしょうか?高尾メソッドで考えると段取りに手遅れ感がありますが… 2. 従業員への個別対応 仕事ができる人でも、仕事ができない人でも、復職時には同じように扱うのでしょうか?休職を繰り返す人に対する対応と、初めて休職する人に対する対応は同じなのでしょうか? 3. 復職基準が厳しすぎる高尾メソッドの復職基準をみて、人事担当者は「自分自身もクリア出来ないし、出社している多くの従業員もクリア出来ないと思います。」と言います。このような会社で、まずやるべきことは何でしょうか? 4. 軽減勤務からの復帰について 指針やガイドライン、各種裁判例では、ある程度の職務遂行能力がある場合には復職が認められると考えていますが、高尾メソッドでは『軽減勤務からであれば開始できる』という状態で復帰を認めてはいけないとされています。この方針の背景や理由について詳しく教えてください。高尾メソッドの「軽減勤務」ってのが、どの程度のものを指しているのかが解釈難しいと思っています。どこからが軽減勤務だと考えていますか。 5. 高尾メソッドの法的リスク裁判になった場合に、会社が負けるリスクが大きいように感じますが、いかがでしょうか。 6. 産業保健法学会 9月22日(日)10:00~13:00特別企画1 あなたは本当の「高尾メソッド」を知らない ~行為規範としての復職支援プログラムを考える~座長 小島健一、秋山陽子演者 神田橋宏治、前園健司、森悠太
第47回|産業医基礎研修会カリキュラム前半編
28-05-2024
第47回|産業医基礎研修会カリキュラム前半編
先日行ったポッドキャスト合宿回の2本目です。旅館の部屋で、産業医基礎研修会のカリキュラムブラッシュアップを行いました。 余っている資料集を、送料だけご負担いただく形で配付しますので、ご興味がある方はDMを送ってください! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容 1. 産業医基礎研修会とは 基礎研修会の募集案内はこちら基礎研修会とは、医師が日医の認定産業医として活動するために、受講が必要な研修のこと。前期14単位、実地10単位、後期26単位で構成されている岡山大学の基礎研修会では、中堅〜中小企業・非製造業の産業医をメインターゲットとして、メンタルヘルス対応・健診事後措置・過重労働対策という3大トピックを中心とした構成にしている 2. カリキュラムについて(1) 産業医学総論 産業医学と臨床医学の整理が重要であり、特に臨床寄りから業務寄りに適応させる必要がある主治医と産業医の役割や、職場の衛生管理体制における産業医の位置づけについて明確に説明する必要がある日本の特殊な雇用システムや労働法の枠組み、労働者保護の観点について説明し、産業医がバランス感覚を養うことも重要。医師は会社における法的地位や背景を理解した上で面談や面接を行う必要がある。その意味で、雇用契約が主たる債務である点や、産業医と従業員の間に契約関係がないことを伝えていく大原則を入れる (2) 健康管理 標準化された健康管理についての講義内容の整理が必要。産業医の業務についてのガイダンスを行う。健診事後措置や過重労働、メンタルヘルス、新興再興感染症とタバコなどを示す労働者から産業医が主治医の次の「二人目の医者」と見られることを防ぐため、産業医としての立場を明確にすることが重要。労災の判定は労働基準監督署の所長が行うものであり、産業医の役割ではないことを理解させる初期対応が非常に重要であり、産業医としての信頼を得るために慎重な対応が求められる (3) メンタルヘルス対策 いつもの、メンタルヘルス対応や復職支援の手順と様式を具体的に説明する。三原則をメンタルヘルスの運用ルールとして紹介。 (4) 健康保持増進 イチロー=カワチ先生の行動経済学に関するスライド資料をもとに説明する健康診断の一次予防や二次予防のエビデンスはない、希薄であることは、何度でも繰り返し説明するその上で、どのような健康保持増進施策を考えていけば良いか、そのヒントを提供する (5) メンタルヘルス対策(手順と様式) 手順と様式について説明する面接シナリオについても、言及しておくと良い (6) 産業医に必要な法律知識 安全配慮義務を中心にした開設を行う (7) メンタルヘルス対策(異動と軽減勤務) 直近のアップデートを盛り込んで、再整理をする (8) 産業医活動の実際 基礎研受講OB・OGにオンラインで参加してもらい、色々なテーマでディスカッションしてもらう (9) 面接シナリオの活用 面接シナリオ読み上げのグループワークを行う予定だったが、面談と面接の対比動画を視聴してもらい、それを元に議論してもらうことにする (10) 作業環境管理 作業環境測定に関する話を中心に行なっている後半では、ソーシャルキャピタルに関する話もしている (11) 作業管理 労働時間管理も作業管理の一環であると考え、過重労働対策のガイダンスを実施している (12) 有害業務管理 有機溶剤・粉塵は外せないトピックなので、取り上げている今年度は騒音についても追加する (13) メンタルヘルス対応の実際 グループワークとして、メンタルヘルス対応に関するディベートを実施する (14) 総括管理 これからの産業保健のあり方 専属産業医の視点からということで、専属産業医の経験がある先生をお招きして、会場の質問に答える
第46回|大自然の中で将来のことを考える
28-05-2024
第46回|大自然の中で将来のことを考える
先日行ったポッドキャスト合宿回の1本目です。大自然を感じながら、私たちの今後の事業展開について色々話してみました(静かなところで聴いていただくと、環境音が聞こえるはずです)。 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容0. 雑談 キジの鳴き声 1. これまでの経緯 2010年〜11年の厚労科研から、企業向けの導入を進めてきたが、様式というよりも研修ニーズの方が高かった事例検討会もコロナ禍前までは運用できていたものの、徐々に難しくなってきているいかに産業保健職ではなく人事労務担当者に参加してもらうかが課題合同事例検討会から、個別事例検討会へ。AIによる支援へ2019年から、自治体向けの導入を進めた。自治体は高尾メソッドにマッチする部分が大きいようである 2. 今後について ターゲットとなる自治体は、職員数が200人〜1500人くらいになる(ただその後の議論として、小規模は小規模で別のアプローチを検討しようとなりました)自治体は予算策定時期と実行時期にずれが生じる。パイロット事業の実施が有効に機能している事例対応の他に、規程とマニュアル作成、研修のニーズが高い自治体は文書主義であり、自治体職員は文書作成能力や読解能力がとても高い頑張っている大多数の優秀な自治体職員のためにも、メンタルヘルス不調者対応で支援をしたいと思っています市民・行政・議員のパワーバランスも理解が必要現状は3〜4%→5年後に10%、10年後に50%を目指す自治体は近くの地域でまとまっているところが多いので、地域ごと導入支援を進めていく方向性を検討したい自治体向けの産業医基礎研修会の開催をはじめとした、自治体の産業保健体制全体の支援の方向性を模索していきたい産業医の頭数も増えてきたので、今後は個別研修のニーズも拾っていこう健康管理ではなく人事担当者にアプローチしていく。法務は対象とはなりにくい
第45回|専門家について
02-05-2024
第45回|専門家について
今回は森が最近考えたことについて、議論してみました。なお、途中で音声が途切れたように思える箇所がありますが、これは編集による故意のものです。 【第97回日本産業衛生学会自由集会】労務管理と産業保健研究会 テーマ:「高尾メソッド」についてすべて答えます日 時:5 月 24 日(金)16:00~16:50会 場:第 11 会場こちらのフォームから受け付けた質問になんでも答えます! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容1. 雑談 高尾|つま先立ちの練習をし始めました前園|葬送のフリーレン最新刊を買いました森|ニンニクの被害があったので、トンネルしました 2. 議論した内容 専門外のことは原則通りとしか答えられないのでは?専門家はその専門に関することは、ややイレギュラーな内容(グレーな内容)も含めて、対応できる。逆に専門外のことは、原則通りの話しかできない 例:医者は、医学の専門領域については、幅広い回答ができるが、専門外の領域について、原則を外れた話をすることは難しい 専門家が、どの分野の専門家であるかを念頭をおいて、回答を求めるべき 労働局あっせん 企業の担当者は基本的には専門家よりも専門領域の知識・スキルが乏しいのだから、原則通りの対応のみしかできないし、そうすべきではないか。それなのに、行き当たりばったり、原則から外れた対応ばかりしている・・・ 企業の担当者は、就業規則や労働契約の当事者であり専門家であるべきなのだから、その内容に沿った対応をした方が良い 産業医の専門性とは?メンタルヘルス対応はニーズは多いかもしれないが、産業医の業務のごく一部 公衆衛生の視点から労働者集団に対する健康管理を考える 論点整理とメタ認知。素人はあれこれ手を出して気にかけて、論点を増やす、散漫にする。専門家はどのような点が争点になるか知っているから、枝葉を切り落として論点を絞った対応ができる 弁護士による論点整理と、高尾先生のメタ認知は似ている気がする 弁護士の論点整理が、むしろ仇になっていることも・・・ 論点主義の弊害:論点と実際の現場への助言は分けて対応しないといけない シンプルに考えれば、2択の選択肢の繰り返しになるはず。ところが、目の前の2択を飛ばして、先の先の先の選択で悩んでいることが多い 裁判は判断基準→当てはめ→結論 就業規則を定めることで判断基準を規定できるし、就業規則までなくても、適切に説明を繰り返していけば、それが判断基準とできうるのでは
第44回|いま職場に必要なのは公衆衛生学の思想ではないのか
12-04-2024
第44回|いま職場に必要なのは公衆衛生学の思想ではないのか
今回はゾノ先生の気づきや疑問を高尾先生にぶつけてみました!なお、途中で音声が途切れたように思える箇所がありますが、これは編集による故意のものです。 【第97回日本産業衛生学会自由集会】労務管理と産業保健研究会 テーマ:「高尾メソッド」についてすべて答えます日 時:5 月 24 日(金)16:00~16:50会 場:第 11 会場こちらのフォームから受け付けた質問になんでも答えます! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容1. 雑談 高尾|杖をつかなくても歩けるようになってきました前園|プロ野球が開幕しました。ヤクルトスワローズファンです森|2月下旬から始めたダイエットを始めて、2キロくらい減量しました 2. 議論した内容 公衆衛生がみえるきっかけは個別医療主義と対立しない基本思想がないかと考えていたこと日本だと、公衆衛生学は医学部の一分野(社会医学)欧米だと、公衆衛生学は医学部の外日本における産業医の位置付けは、結構特殊公衆衛生学と疫学の関係。疫学は方法論。職場のメンタルヘルス不調の問題を、臨床医学を突き詰めて解決しようとしても、難しいのでは臨床医学は個人の疾病、公衆衛生は集団の健康を対象(公衆衛生がみえるp2)公衆衛生学者の研究のモチベーションは?実践の場がないと厳しいのでは?臨床の手段は診断と治療、公衆衛生の手段は統計と調査(同p3)、しかし公衆衛生にはこれに加えて「制度導入」があるのでは?産業医の医師としての役割と、顧問医としての役割は違う。いずれからの批判も、公衆衛生を盾にすれば、躱わせそう安全配慮義務と健康配慮義務を区別するとすれば、前者は臨床医学アプローチ、後者は公衆衛生アプローチをするのが論理的ではないのか?わかる公衆衛生学・たのしい公衆衛生学産業医は公衆衛生学を(もっと)学ぶべきか産業医になる=非倫理的なことをする、ではない。倫理観の硬直が、その誤解になっている法哲学 トロッコ問題
第43回|COEDOH日めくりカレンダー
02-04-2024
第43回|COEDOH日めくりカレンダー
三人もそれぞれ言葉を寄せた、COEDOH日めくりカレンダーについてお話ししました。 ⁠COEDOHの講師陣名言・格言カレンダーをつくろう⁠ 【第97回日本産業衛生学会自由集会】労務管理と産業保健研究会 テーマ:「高尾メソッド」についてすべて答えます日 時:5 月 24 日(金)16:00~16:50会 場:第 11 会場こちらのフォームから受け付けた質問になんでも答えます! 【番組へのご意見・ご質問・ご感想はこちら】⁠https://peing.net/ja/takaomethod⁠ 【有料のオンラインサロンをやっています。番組を応援いただける方は、ぜひご加入くださいませ】⁠https://community.camp-fire.jp/projects/view/307210⁠ ■話した内容1. 雑談 高尾|アルファロメオのシートベルトが直りました前園|公衆衛生がみえる2024年版が出ます森|産業医研修会の申込みを開始しました(すでに締め切りしています) 2. 高尾先生が寄せた言葉 職場は働く場所である(14日)シン・タカオメソッドの気づきにもつながるかも本旨債務と付随義務の関係医療だと病名ごとに違った対応、職場だと病名が違えど「労働者の責に期すべき事由」病名差別とは?大原則を満たせているかどうかが、メソッドを導入できるかどうかの踏み絵になる職場で働く以外のことも期待していた時代と、今の時代は違う 3. ゾノ先生が寄せた言葉 わかった法律の意見を言う あなたのやろうとしていることは憲法違反だ(10日)第38回依頼者の主観的利益ではなく、客観的利益を追求するただ産業保健の分野で、一人二役がこれを行うのは難しい弁護士と、産業保健職の立場の違いはあるかもしれない主観的利益への寄り添いは産業保健職が、客観的利益のための厳しい言葉は人事が言う 4. 森が寄せた言葉 本音を封印し、建前で働く(5日)戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ職場は本音は封印し、建前で働く場所産業保健分野では本音が出過ぎているが、職場ではそれは通用しない「正しいこと」が、時代とともに変わってきているかもしれない会社も建前を貫き通すために、襟を正す必要がある 5. 各自が気に入った言葉 2日:支援の最終形態は自立 最終的には自分たちの仕事がなくなること=自立を目指す19日:「教えた」と「教えたつもり」を区別せよ15日:人生に無駄なことなんか、ひとつもない 生きるってことは、いろいろ経験すること