第47回|産業医基礎研修会カリキュラム前半編

復職名人が読む三手先

28-05-2024 • 1時間 5分

先日行ったポッドキャスト合宿回の2本目です。旅館の部屋で、産業医基礎研修会のカリキュラムブラッシュアップを行いました。

余っている資料集を、送料だけご負担いただく形で配付しますので、ご興味がある方はDMを送ってください!

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■話した内容

1. 産業医基礎研修会とは

  • 基礎研修会の募集案内はこちら
  • 基礎研修会とは、医師が日医の認定産業医として活動するために、受講が必要な研修のこと。前期14単位、実地10単位、後期26単位で構成されている
  • 岡山大学の基礎研修会では、中堅〜中小企業・非製造業の産業医をメインターゲットとして、メンタルヘルス対応・健診事後措置・過重労働対策という3大トピックを中心とした構成にしている

2. カリキュラムについて
(1) 産業医学総論

  • 産業医学と臨床医学の整理が重要であり、特に臨床寄りから業務寄りに適応させる必要がある
  • 主治医と産業医の役割や、職場の衛生管理体制における産業医の位置づけについて明確に説明する必要がある
  • 日本の特殊な雇用システムや労働法の枠組み、労働者保護の観点について説明し、産業医がバランス感覚を養うことも重要。
  • 医師は会社における法的地位や背景を理解した上で面談や面接を行う必要がある。その意味で、雇用契約が主たる債務である点や、産業医と従業員の間に契約関係がないことを伝えていく
  • 大原則を入れる

(2) 健康管理

  • 標準化された健康管理についての講義内容の整理が必要。
  • 産業医の業務についてのガイダンスを行う。健診事後措置や過重労働、メンタルヘルス、新興再興感染症とタバコなどを示す
  • 労働者から産業医が主治医の次の「二人目の医者」と見られることを防ぐため、産業医としての立場を明確にすることが重要。
  • 労災の判定は労働基準監督署の所長が行うものであり、産業医の役割ではないことを理解させる
  • 初期対応が非常に重要であり、産業医としての信頼を得るために慎重な対応が求められる

(3) メンタルヘルス対策

  • いつもの、メンタルヘルス対応や復職支援の手順と様式を具体的に説明する。
  • 三原則をメンタルヘルスの運用ルールとして紹介。

(4) 健康保持増進

  • イチロー=カワチ先生の行動経済学に関するスライド資料をもとに説明する
  • 健康診断の一次予防や二次予防のエビデンスはない、希薄であることは、何度でも繰り返し説明する
  • その上で、どのような健康保持増進施策を考えていけば良いか、そのヒントを提供する

(5) メンタルヘルス対策(手順と様式)

  • 手順と様式について説明する
  • 面接シナリオについても、言及しておくと良い

(6) 産業医に必要な法律知識

  • 安全配慮義務を中心にした開設を行う

(7) メンタルヘルス対策(異動と軽減勤務)

  • 直近のアップデートを盛り込んで、再整理をする

(8) 産業医活動の実際

  • 基礎研受講OB・OGにオンラインで参加してもらい、色々なテーマでディスカッションしてもらう

(9) 面接シナリオの活用

  • 面接シナリオ読み上げのグループワークを行う予定だったが、面談と面接の対比動画を視聴してもらい、それを元に議論してもらうことにする

(10) 作業環境管理

  • 作業環境測定に関する話を中心に行なっている
  • 後半では、ソーシャルキャピタルに関する話もしている

(11) 作業管理

  • 労働時間管理も作業管理の一環であると考え、過重労働対策のガイダンスを実施している

(12) 有害業務管理

  • 有機溶剤・粉塵は外せないトピックなので、取り上げている
  • 今年度は騒音についても追加する

(13) メンタルヘルス対応の実際

  • グループワークとして、メンタルヘルス対応に関するディベートを実施する

(14) 総括管理 これからの産業保健のあり方

  • 専属産業医の視点からということで、専属産業医の経験がある先生をお招きして、会場の質問に答える