第55回|【質問】母健連絡カードの取り扱い/人材不足でも原職復帰か/産業保健職の役割

復職名人が読む三手先

30-07-2024 • 58分

今回も質問箱に寄せられた質問について、回答しました。中の人を募集しています!

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■雑談

  • 高尾:健診結果に対してお怒りです
  • 前園:安全配慮義務おじさん
  • 森:対話を重ねることは大事だと思いました

■質問1
母性保護規定・母性健康管理制度との関連について。妊娠中の女性の健康診査等の結果、主治医が休業や通勤緩和、勤務時間短縮等の措置が必要であると判断した場合「母性健康管理指導事項連絡カード」を記載、女性が事業主に提出・措置を申し出た場合、事業主は記載内容に応じた適切な措置を講じる義務がある、とされています。メソッドでは、通常勤務に支障がある場合は療養が前提と思いますが、母健連絡カードの内容は、(休業または)軽減業務が前提となっています。妊婦で申し出があった場合は、主治医の指示の通りの軽減措置を行うことになりますか?(業務遂行が十分可能な状態に回復するまで休養してもらうのが良いと思いますが、主治医の指示で軽減業務で働く意思を示されている状態)社内では、このような場合は母性保護のため休養を勧めることを、予め周知しておくのが良いでしょうか。妊娠は期間限定なこと、出産に向け産前産後休暇を取る見込みがある状態で就業する点は、他の疾病とは異なるため、質問させていただきました。

  • 主治医の指示通りに軽減措置を取るのではなく、母健連絡カードの提出とともに本人からの申し出を受けて、必要な措置を会社が判断して行う(実質的に、母健連絡カードの内容通りの措置を取ることにはなるが、こうしたステップを省略しないことが大事)
  • 正直、ちょっと苦手な分野です。。。
  • 妊娠は期間限定であり、また妊娠という事情が解消すれば、通常勤務ができることが前提なので、こうした軽減勤務も許容して良いのでは
  • 休業は制度化して行うというよりは、状況に応じて説得して行うことが想定されるので、周知もお勧めはできない

■質問2
人材不足で、これまで様々な分野で勤勉に働いていた社員が病気になり、たまたまその時に従事していた原職の業務に支障があっても、他の業務なら十分な遂行能力で実施できるのであれば、他の業務を与えることで本人は活躍できますし、会社としても人財を守りたいです。人材不足の中で、原職にこだわる必要性から本人の休養期間が長期化すれば、他の社員が疲弊することも考えなければなりませんが、やはり原職にはこだわる必要がありますか?

  • 全従業員に同じ対応ができるのか。対労働者集団、という観点を持つと良い
  • 勤勉な方だが、原職のみ不適合で、かつそれが原因でメンタルになり、他の業務なら全く問題ないという状況は、想定しずらい
  • 人材不足だからと言って、不十分な状態で復帰させて働かせるというのは、たまたま本人の希望と合致しているからそれに便乗しているだけで、結果的には労働力を搾り取ろうとしていることに他ならない
  • 人材を守るために原職復帰の例外とするというのは、原職復帰を維持すると辞めるかもしれないということ?その前提はおかしいのでは
  • 復職時の異動ではなく、復帰後に通常勤務へ移行してから異動させることは差し支えない

■質問3
これまで、社内で心身の不調を早めに相談し、早期の適切な治療や就業上の措置につなげたり、復職支援を行うために、常勤の産業保健職を配置し体制づくりをしてきました。一方メソッドでは、産業保健職の相談や面談を勧めていないと思います。産業保健職にはどういうスタンスでいさせればよいでしょうか。

  • 医療的健康管理をやるな、という話はしていない。整理した上で取り組むことは問題ない
  • 業務的アプローチだけでも良いが、医療的アプローチがあれば機動的になる
  • 障害の医療モデルと社会モデル
  • 安易な受診勧奨は勧めない、療養勧奨はあり
  • 復帰基準が明確化すると、人事・上司の役割、産業保健職の役割がはっきりする。すると本人の役割がはっきりする
  • 復職か退職か、という考えに陥らないために、退職がない休職という思考実験をしてみる
  • ゾノと森は、医療的には素人だけど、復職に関しては名人です