#8「植林の詩(うた)」

永瀬清子の世界

20-05-2024 • 3分

永瀬清子さんは、1950年の随筆「山刈り」の中に、植林の前、山全体にびっしり生えつまった「女子竹(おなごだけ)」を刈り取ったことを書いています。女子竹を初めて見て「筆の軸!ああこれは大変な天然資源ではないのかな、或いは天然記念物ではないのかな」と驚き、そのときの山の様子を「生えつまっていても竹なので、なんとなくすき通り、奥行きが明るくて葉ずれの音と一緒に金色の陽の光がチラチラしている」と表現しています。永瀬さんは、山仕事の中にもユーモアや美しさを見出し、その感動が作品となっています。