永瀬清子の世界
28-10-2024 • 3分
詩「梳(くしけず)り」は、長い髪がもつれ乱れるように、「私」が「あなた」との間で迷い、疑い、思い悩む姿を書いています。髪をくしけずる、つまり櫛で髪をといて整えるように、「私」の心を整えたいと思っているのです。「私」の迷う心を言葉にしていくことで心が整理され、「私」の心がくっきりとしていきます。「私」と「あなた」を見つめるこの詩からは、掌編小説のような物語も見えてきます。自由に想像をひろげ、世界を見つめることができるのも詩のおもしろさではないでしょうか。<文・白根直子>