#3「諸国の天女」

永瀬清子の世界

15-04-2024 • 4分

「諸国の天女」は1940年に出版された永瀬清子さんの第二詩集「諸国の天女」に初めて収録されています。この詩について、永瀬さんは随筆「本当はどうなのだろう」に次のように書いています。
「天女がいつか天へ帰りたいと願うのは当然である。しかしやはり本当はどうなのか。天へ帰った天女のほかに、人は気づかなくても夫や子供のため、働く女として地上に止まった天女がもっとありはしないだろうか。私にはそうした天女がありそうに思えてならなかった。それを書いた詩が「諸国の天女」なのであった。諸国とは、駿河や出雲など日本の古い国名の事を云っていたのだが、今では或いは世界的に拡大して考えてもいいのかもしれない。」
<文・小林章子>