「十一月」詩は、冬の訪れを感じる頃、樹木がより美しく生長するために、不要な枝を整理していく様子を書いています。次の季節への準備をするために斧や鉈で切られていく枝葉、そして次第に美しく整っていく樹形。切られた枝葉は燃やされていきます。これらを思うと永瀬さんの詩を書く姿とも重なります。詩を書くためには、書きたいことを掴み、言葉を選び、詩ではないものも薪のように加えながら、自分にしか書けない詩を書きたいと願っていた永瀬さん。新しい季節を迎えるために、樹木を剪定するように自分の身の回りを整理していく。この詩を読むと十一月をそんなふうに過ごしてみたくなります。 <文・白根直子>