#13「合唱組曲「燃える故郷」五章 やけこげの」

永瀬清子の世界

24-06-2024 • 3分

お聴きいただいているのは、永瀬清子さんが作詞、木下そんきさんが作曲し、1981年6月、岡山合唱団により初演された合唱組曲「燃える故郷」のうち五章「 やけこげの」です。この組曲は、1945年6月29日の岡山空襲を伝えるもので、七章で構成されています。五章「やけこげの」には、苦しい生活の中でも希望をもって暮らす子どもの姿が描かれています。多くの人に読まれている「降りつむ」という詩にもつながるような希望や励ましがあり、苦しみから立ち上がろうとする姿が印象的です。永瀬さんは、自身の戦争体験を詩や随筆などに綴り講演会で語るだけではなく、岡山の女性たちによる証言集も出版しています。永瀬さんは、尊敬する宮沢賢治の「ヨクミキキシワカリソシテワスレズ」を生涯にわたり心がけていましたが、戦争体験についても記憶し記録しています。<文 白根直子>