三島由紀夫さんの「不道徳教育講座」を扱ってきましたが、今回は余談話です。
「不道徳教育講座」は、不真面目な人というよりは真面目な人に対しての不道徳のススメのように思われます。真面目に生きすぎるなよ、他人のつくったルールを気にしすぎるなよ、という三島さんからのメッセージではないかと。
今回ご紹介したもの以外に、本に取り上げられている不道徳講座の中で粟野さんが取り入れたいと感じられたものはこちら。
・けんかを自慢すべし自慢をするときには意味がないことをした方がいい。人に妬まれるような自慢をするのではなく、どうでもいいことで自慢をすべきと。
・告白するなかれ自分の弱みをさらけ出すのは無礼者だ。本来の人の姿は醜いものだから、弱みや自分の本当の姿を他人に認めてもらうべきではないし、見せるべきではない。そこを愛せるのは自分だけなのだと。
実は今回、粟野さんは自分なりの不道徳教育講座をやりたかったものの、道徳的に生きてきた人間なので不道徳話がなく、星野の子ども時代の不道徳の話をすることに。
星野は子どもの頃からルールを守ることが嫌いで、宿題や持ち物をよく忘れるフリをして期限内に取り組むのを避けてきました。当然学校では先生に立たされ、叱られていましたが、その方が楽だと母親に言い張っていたようです。そこから、嫌なことは逃げ続けててもだいじょうぶ、最終的にはなんとかなるという成功体験を得てしまっていたのかもしれません。
以上、3回にわたり「不道徳教育講座」をご紹介してきました。今の時代にも通用する内容も多く、三島由紀夫さんの作品の中では軽く読みやすいものですので、ぜひ読んでみてください!ご自身で読まれた方はぜひ感想をお寄せください!
-----
【本のおススメサービス(仮)】
番組を通して、深く本を読んできたアワノトモキが、今のあなたにおススメの本をセレクトするサービスをはじめたいと思います。
希望する方は、下記フォームよりご応募ください。
https://forms.gle/VKcgsiuPn4u2GitE9
—------
皆さんのご意見もお聞かせください。
ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、こちらまでDMをお寄せください。