ep36-5 「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか」(岩尾俊兵さん)-小さな表現者たち・誤配と連帯・おぼっちゃまくん-

アワノトモキの「読書の時間」

30-04-2024 • 19分

読書の時間36冊目、慶應義塾大学准教授の岩尾俊兵さんの著書、

「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか 増強改訂版『日本”式”経営の逆襲』」

を扱う5話目、こぼれ話の回。


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「日本企業が逆襲」するにあたって重要となる、コンセプト化・文脈依存度の話から、

本・ZINEを作る個人が増えている今いま、文芸フリマの盛況ぶり(東京は2024年5月で38回目)、

星野さんが感銘を受けた「陶器市@栃木県・益子」でのストーリーを感じる陶器との出会い、

などなど・・・


より小さな範囲の自分・自分たちを「表現する」流れが来ているのではないか?


小さな、もしかしたら取るに足らないかもしれない表現と、

それに偶然出会った受け手との間にこそ、

何か大切なものがあるのかも知れません。


益子の陶器市での陶器との出会いを熱く語る星野さんの話を聴きながら、

小さな表現者である作陶者やそれを代弁するお店の方、

受け手の星野さんの間に小さいけれど、確かなつながり「連帯」が生じている。


ふとそこから連想するのは、

読書の時間31冊目で扱った、東浩紀さん「「観光客の哲学 増強版」の、

「誤配・観光・憐れみ」。

「分断ではなく連帯」を社会に作っていく上で重要なキーワードでした。

www.amazon.co.jp/dp/4907188498


ep31-1「観光客の哲学 増強版」(東浩紀さん)-訂正可能性・偶然性/無責任性/曖昧性・人間っぽさ-

https://spotifyanchor-web.app.link/e/fz7Z1B9t5Ib


それはつまり、偉い誰かに「皆、連帯しましょう」と掛け声をかけられても、内心は白けてしまう。

けれども、たまたま偶然の出会いによって生じてしまった愛着や思い出からは、

簡単には消えない連帯が生まれるのではないだろうか、というような話でした。


そんな話もしながら、

終盤はドラゴンボールの作者、鳥山明さんの訃報に触れた世界中からの

リスペクト溢れる様々な反応からまざまざと感じる、漫画の持つ影響力の話へ。


作者の超個人的な想いやイメージからスタートした作品が、勝手に、そして何ら反発をされずに世界中へ広がっていく。

(逆襲とか、売り込むとか、他国の文化に自国が乗っ取られるとか、そういった発想が生まれることもなく)


最後はこぼれ話らしく、コロコロコミックで1990年前後に連載されていた、昭和の名作漫画「おぼっちゃまくん(小林よしのりさん作)」へ着地。


経営・グローバル競争から、陶器、おぼっちゃまくんまで。


書籍の内容をそのまま扱うのではなく、

ある程度は実直に読み解きながらも、

同時に受け手の我々が誤読をしつつ、発想を展開していく。

その中にこそ、その書籍との忘れがたいつながり・連帯が生じたり、

聴いていただいている皆さんと「アワノトモキの読書の時間」との何らかのつながりになるのかもしれません。


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さて、次回37冊目は星野さん選書「ホシノリョウタの読書の時間」です。


どんな本になるのかも含め、楽しみにお待ちいただければと思っています。

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