漫画家ためになるラジオ

マンガスクリプトDr.ごとう

マンガってどうやって作るの?漫画制作の裏側に興味がある人へ、プロがストーリーを作る時のちょっとした工夫など、知るとより深くマンガを楽しめる「ためになる気づき」をお届けしています! 語り手・ごとう隼平(マンガスクリプトDr.)/元漫画家・東京ネームタンク代表・コルクスタジオ編集長・京都芸術大学准教授 @goto_junpei 聞き手・ヨシキ/Web編集者 @moriri_nyo read less
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エピソード

マンガをヒットさせるのは“ウリ”より“売り”  読者がお金を払っても読みたい「課琴線」はどこ? #68
2日前
マンガをヒットさせるのは“ウリ”より“売り”  読者がお金を払っても読みたい「課琴線」はどこ? #68
1つの話の中に、あれもこれもと詰め込みすぎて、「パフェ全部盛り」状態になってしまう……。 漫画を描く人なら、誰もが抱える悩みではないでしょうか。 考えなければならないのは、漫画家としての自分のストロングポイントである「ウリ」と、読者がお金を払いたくなる「売り」がどこにあるのかということ。 「ウリ」の部分については、1つの話の中に入れている自分が良いと思う要素を、全部書き出してみましょう。 きっとたくさん出てくると思いますが、パフェでいう「季節のフルーツ」や「生クリーム」、または「コーンフレーク」といった素材に、各々切り分けることができるはずです。 そして「売り」の部分については、果たして自分の作品のどこに課金をしたくなるライン=「課琴線」が存在するのか、を考えてみましょう。 読者が面白い・良いと思う作品を描くことと、読者がお金を払ってくれる作品を描くことは、残念ながら決してイコールではありません。単に良い作品を描いてお金をもらう、というのはとても難しいこと。 売れるを意識するのはよくない、という意識はモノづくり全般において根強いかもしれませんが、「ウリ」だけではなく、「売り」が明確であることも、ヒットにはやはり必要なのです。 今回は、描き手がそこばかり注目しがちな「ウリ」と、目を背けられがちだけど読み手が求める「売り」について、真正面から向き合います!
漫画を読んで感じるモヤモヤは「期待」が満たされていないから? 欲求のサンドイッチ問題 #58
01-05-2024
漫画を読んで感じるモヤモヤは「期待」が満たされていないから? 欲求のサンドイッチ問題 #58
漫画家にとって漫画編集者の役割とは、漫画家の作品を世に届けること、そして漫画の最初の読者として「こう伝わった」というシンプルなフィードバックをしてあげること。 作品を初めて読んだ際に覚えた違和感やモヤモヤに対し、 ・「もっとこう直したい」という、自分の外の世界(作品)に変化を与えたい欲求 ・「もっとちゃんと知りたい」という、自分の外の世界(作品)から手に入れたい欲求 の2つの欲求を同時に抱きながら、的確なフィードバックをおこなうことを漫画編集者は心がけています。 前者を伝えるのは簡単ですが、伝え方によっては漫画家のヤル気を削ぐだけなので、気をつけないといけません。 後者は心の中に一瞬よぎった感情を巻き戻し、読み手として何を欲しているかを漫画家にきちんと伝える必要があるため、非常にハイレベルなスキルが要求されることになります。 でもそれでいて、後者だけでは雑な仕事しかしていないと思われる危険もあるのが編集者という職業。 そんなわけで今回は、いろいろある編集者の仕事の中で、特に漫画家のためになりそうな部分に特化してお話していきます。