漫画を読んで感じるモヤモヤは「期待」が満たされていないから? 欲求のサンドイッチ問題 #58

漫画家ためになるラジオ

01-05-2024 • 39分

漫画家にとって漫画編集者の役割とは、漫画家の作品を世に届けること、そして漫画の最初の読者として「こう伝わった」というシンプルなフィードバックをしてあげること。 作品を初めて読んだ際に覚えた違和感やモヤモヤに対し、

・「もっとこう直したい」という、自分の外の世界(作品)に変化を与えたい欲求 ・「もっとちゃんと知りたい」という、自分の外の世界(作品)から手に入れたい欲求

の2つの欲求を同時に抱きながら、的確なフィードバックをおこなうことを漫画編集者は心がけています。 前者を伝えるのは簡単ですが、伝え方によっては漫画家のヤル気を削ぐだけなので、気をつけないといけません。 後者は心の中に一瞬よぎった感情を巻き戻し、読み手として何を欲しているかを漫画家にきちんと伝える必要があるため、非常にハイレベルなスキルが要求されることになります。 でもそれでいて、後者だけでは雑な仕事しかしていないと思われる危険もあるのが編集者という職業。


そんなわけで今回は、いろいろある編集者の仕事の中で、特に漫画家のためになりそうな部分に特化してお話していきます。