ep37-2「ふつうの相談」(東畑開人さん)-相対化してお互いを理解し合う、球体の臨床学、ふつうの相談

アワノトモキの「読書の時間」

16-05-2024 • 25分

37冊目「ふつうの相談」、著者は東畑開人さん。

⁠https://amzn.asia/d/5Aqtjix⁠


粟野さんではなく星野による読書の時間2回目です。


今回から3回にわたり、下記キーワードに沿って読書の感想をお伝えします。


【37冊目「普通の相談」のキーワード】

1.相対化してお互いを理解し合うこと

2.星野は預かりたい

3.横道の意義とは?



今回は「1.相対化してお互いを理解し合うこと」についてです。

まずは星野なりに、本の概要をまとめていこうと試みました。

シンプルに説明できてはおりませんが、皆さまの読書の助けになりましたら…!!



世の中には、専門家ではなく名もなき方々による心のケアがたくさんあります。

研究などで扱われることはなくとも、実際に人を助けている。

そのケア活動を「ふつうの相談」と名付け、あらゆるケア活動の中心に置いています。

東畑さん自身も、カウンセリングルームへの来訪者に対して精神分析的アプローチではなく、「ふつうの相談」で対応することもあるようです。


「ふつうの相談」では、各人がその日常から得た「世間知」と相談者に対する周辺情報に対する「熟知性」を活用します。


他にも、無数の「ふつうの相談」から抽出された理論をまとめた「学派知」、ケアが行われている現場ならではのノウハウ「現場知」があります。


いわば、それぞれの立場による偏りが存在し、それにより「心のケア」界隈が協働しづらくなっているのでは?という東畑さんの課題感がありました。


そこで東畑さんはこの本の中で「球体の臨床学」という捉え方を提示したのです。

球体の中心に「ふつうの相談」を置き、「学派知」・「専門知」・「世間知」・「現場知」などをそれぞれ球体上に配置できる捉え方です。

これにより、各自が相互を相対的に認識できるので、お互いの理解が進み、協働に進めるのではないか、というアイデアです。


この捉え方は、心のケア界隈だけでなく、他の世界すべてに対して活かせそうだと感じました。

普段、意識していないと自分の視点を中心に考えてしまいがちですが、ある種メタ視点で捉えることの重要性を再認識できました。



…と、まずはある程度本の趣旨に沿ったお話からさせていただきました。

次回からはもう少し星野の興味をベースにお話していきたいと思います。