例えば闇を太陽の形に切り取ること

森雪之丞 Poetry Readingの世界『感情の配線』

29-01-2024 • 2分

例えば闇を太陽の形に切り取ること

絵画館から続くこの舗道(みち) は いつ未来に繋がったんだろう

暗闇で触れた君の唇は 新しい生き物のように 七月の恋を呼吸していた

傘は捨てよう 湿った空気が雨を予感させるけれど 僕達の手は ぬくもりを囁きあうのに忙しい

立ち竦(すく)むほどの 夜の重さ 自分を責めるだけの夜の長さ 寂しさに溺れるための夜の深さ ひとりきりじゃ生きられないことをどうして君も知っているの?

もう少し歩こう 寄り道が楽しいのは子供の頃と同じ 最後に帰る場所で 愛が僕達を待っているからだ

会話や微笑みやキス それが途切れた時の柔らかい沈黙 君が僕にくれるのは 例えば 明日を探すヒントや勇気みたいなモノ

僕が君にできるのは 指でハサミを作って 例えば 闇を太陽の形に切り取ること

夜がどんなに 重く長く深くても 闇の向こうには光が溢れていることを 僕なら君に伝えられると信じて

僕が君にできるのは 例えば闇を太陽の形に切り取ること


1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念して詩を朗読する番組。 メロディーを脱ぎ捨てた諧謔とエロスと波動(グルーヴ)詩人・森雪之丞の言葉の軌跡を是非ご体感ください。

森雪之丞 自選詩集『感情の配線』 2024年1月14日(日)発売 特設サイト:https://www.mori-yukinojo.com/emotional_wiring/

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