四月は桜吹雪の中で

森雪之丞 Poetry Readingの世界『感情の配線』

08-04-2024 • 1分

四月は桜吹雪の中で

スニーカーで蹴りあげた身体を サドルがしっかり受け止めた 一周一・七五キロのアップダウン 砧公園のサイクリング・ロードは今や 散った桜が景色に流れ浮かぶ 魔法の国に変貌している

ぐうっとペダルを踏み込む そこにいた空気が不意に 風だったと正体を明かす

一つ目のカーヴへ ためらわず預ける体重 待ちかねたように上がる速度

前方には積もった花びらが 漂泊の雲を真似て立ち込めている 迷わず突入 心が躍る 桃色が舞う 生きていることを歓迎されて 命が声をあげ喜んでいるみたいだ

四月は桜吹雪の中で 僕は勇気を取り戻す こんな夢みたいな出来事が この世界ではまだ起きるんだと うなずきながらペダルを漕いで 僕は勇気を取り戻す


1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念して詩を朗読する番組。 メロディーを脱ぎ捨てた諧謔とエロスと波動(グルーヴ)詩人・森雪之丞の言葉の軌跡を是非ご体感ください。

森雪之丞 自選詩集『感情の配線』 2024年1月14日(日)発売 特設サイト:https://www.mori-yukinojo.com/emotional_wiring/

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