『海の向う』北原白秋

群読のある夜

31-07-2024 • 2分

『海の向う』北原白秋

さんごじゆの花が咲いたら、

咲いたらといつか思つた、

さんごじゆの花が咲いたよ。

あの島へ漕いで行けたら、

行けたらといつか思つた、

その島にけふは来てるよ。

あの白帆どこへゆくだろ、

あの小鳥どこへゆくだろ、

あの空はどこになるだろ。

行きたいな、あんな遠くへ、

あの海の空の向うへ、

今度こそ遠く行かうよ。


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夜の帳がおりる頃、

しじまにまたたく星のささやき。

光年の孤独の叫びを、夜風が柔らかく溶かす。

今宵 ひっそりと夜ふかし。