#48 みんまちトーク『営みのなかで出来た町並みを時代へ継ぐために・・〜元エルメス本社副社長 齋藤 峰明氏に聞く、日本と日本人への熱き思い(3)』

みんなのまちづくりトーク

14-04-2024 • 17分

#48 みんまちトーク『営みのなかで出来た町並みを時代へ継ぐために・・〜元エルメス本社副社長 齋藤 峰明氏に聞く、日本と日本人への熱き思い(3)』

この番組は「認定NPO法人日本都市計画家協会;通称⁠⁠⁠JSURP⁠⁠⁠(じぇいさーぷ)」がお届けするポッドキャスト『みんなのまちづくりトーク』です。毎回多彩なゲストと共に、いま話題のまちづくり事例、新しい制度、活動のhow-toなどを紹介していきます。

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第48回は、前回に続き、当会Jsurp日本都市計画家協会の正会員;伴 宣久(ばん のぶひさ)さんと、伴さんの親しいご友人である齋藤 峰明(さいとう みねあき)さんをゲストスピーカーに迎え、「何故いま欧米人が日本を注目しているのか」「そのことを日本人がもっと認識することが、日本のみならず、世界にとっても大切」という齋藤さんの思いをじっくりと伺うシリーズ最終回です。どうぞじっくりとお聴き下さい。

▼話していたことのリンク

シーナリーインターナショナル Scenery International PTE.LTD.

http://www.scenery.co.jp/

フランスの最も美しい村協会

https://www.les-plus-beaux-villages-de-france.org/fr/

▼出演者

◆齋藤 峰明(さいとう みねあき):元エルメスパリ本社副社長。静岡県出身。1971年渡仏、パリ第⼀(ソルボンヌ)⼤学芸術学部卒。三越パリ駐在所⻑を経てエルメス本社に⼊社後、エルメスジャポンに赴任。1998年より代表取締役社⻑として⽇本でのエルメスの発展に貢献。2008年には外国⼈で初めてエルメスパリ本社の副社⻑及びライカカメラジャパン会⻑に就任。2015年にエルメスを退社後、シーナリーインターナショナルを設⽴。現在パリと東京をベースに、企業のブランド戦略のコンサルティングほか、伝統産業や地方再生の支援の活動を行う。フランス共和国国家功労勲章シュヴァリエ叙勲。エルメスでの仕事を語った本に「エスプリ思考〜エルメス本社副社長、齋藤峰明が語る」(川島蓉子著)ほか、虎屋黒川社長との共著「老舗の流儀」がある。

◆伴 宜久(伴 のぶひさ): (一財)日本建築設備・昇降機センター定期報告部長。東京都市大学(旧武蔵工業大学)工学部建築学科卒業。東京都立大学(旧首都大学東京)都市環境科学研究科博士課程後期修了、博士(工学)。民間から東京都特別区(台東区)管理職を経て、現職。行政で、営繕課長では、台東区立病院建設、上野中央通り地下駐車場建設等、公共施設の建設、営繕を担当。まちづくり推進課長として、浅草通りシンボルロード整備地元調整担当、浅草六区地区計画策定、御徒町地区計画変更、両地区計画区域内の事業調整、台東区景観計画を策定。近著に「〔実践〕自治体まちづくり学」(公人の友社 (2024/2/5);共著)がある。

□パーソナリティ:原 拓也(Jsurp理事・副会長)

◇フリーBGM・音楽素材MusMus https://musmus.main.jp


▼キーワード

大きく分けて活動は2つの分野/一つ目の活動はブランディング/単にロゴをつくる仕事ではなく/ブランドとは何か/エルメスがそうだが「人の生業」「ファミリーが、自分たちの家族を養うためにやるのが生業」/長い時間を経て世の中の役に立つようになると、村や町で名士と言われ、賞をもらい、やがて信用力を増し、ブランドと呼ばれる/いまはブランドビジネスなどと言うが/本当は逆/ものづくりをどういう精神で始めているか/サービスをどういう精神でやっているか/その後、信用を重ねて、ブランドになる/ただ日本の場合は/せっかく何百年も経っている企業が/どんどん世界舞台からいなくなっている/カメラも家電も他の国に取られてしまった/ものづくりばかりやって/その価値を説明することを怠った/世界中で車は作っているが/ドイツの車が何故人気なのか/日本の車が劣っている点は一切無いが/ドイツは歴史を踏襲しながら育んでいる/技術だけではなく価値を自分たちで自覚してマーケットで説明している/だからドイツ車のほうが良いと言われてしまう/フランス車はまた別の良さがあるが(笑)/シーナリー(風景)、まちに対して思うことは/地方にある産業がまだ世界に打ち出せる/地方の再生はきっと可能である/二つ目の活動は伝統産業を広めること/グローバルな価値観に伝えていく/海外のデザイナーを日本の産地に連れて行き/対話を経て新しいものを創り出すことに取り組んでいる/同時に「まちづくり」として、産業をもったまちを/そこに人が住んでいるまちの/背景自体を再生、進化させることが大切だと思う/象徴的な活動が「日本で最も美しい村連合」/十数年前に日本版が出来た/しかしながら日本人のなかであまり知られていない/どこが美しい村かと聞かれて答えられない/フランスでは9割が知っている/フランスでは美しい村として登録されているところで何が出来るかウェブサイトですぐに分かるようになっている/しかしながら最も重要なことは「なぜ美しいむら、が日本に必要か」という点を日本人が分かっていない/先代が国を作ってきた過程のなかでできたのがまち/営みのなかで出来たまちなみは大切にしないと/我々の責任で次の世代に繋いでいかなければならない/単に美しいから守るというだけではなく/経済的に自立しないといけない/そのために産業を高めることが必要/シーナリーインターナショナルにとって大切な取り組み/また日本のその取り組みは日本にとってのみならず世界にとって大切/何故いま日本ブームなのか/ひとつにはこの2-30年で「健康」が大切だとなってきた/そのなかで食べ物に気を遣うようになった/日本食=健康/また「自然」「環境問題」への注目/自分たちが自然を破壊してきたとの自覚/日本は自然を大切にしてきた/もっと観光客が行かない自然と共生しているところに欧米人は行きたがっている/それなのに日本人が気付いていない/相変わらず新しいものを作ろうとしている/日本人が気付いて、世界に発信していくことが大切/世界にとって非常に大切/時代の変わり目だからこそ、アイデンティティを見直して/対話を重ねていくことが重要/フランスもオリンピックに向けて新しいことにチャレンジし始めている/またこの続きの企画を将来やりましょう(おわり)