日本史別天地

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「失われた記憶を編み直す試み」発動。     作家のオリジナル脚本で音声ドラマで歴史ドラマを制作。 https://www.devision-division.com/ 音声版に加え動画版もございます。 YouTube👉🏻 #日本史別天地 read less
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エピソード

『忠厚伝』✴︎燃えよ!知性の剣も ―和算とLOVEとアメリカと― ✴︎日本史別天地✴︎合情記シリーズ第4弾✴︎
09-12-2021
『忠厚伝』✴︎燃えよ!知性の剣も ―和算とLOVEとアメリカと― ✴︎日本史別天地✴︎合情記シリーズ第4弾✴︎
『忠厚伝』合情記 脚本:みなとかおる 《出演者》 松平忠厚(二十一歳)     アライジン 松平忠礼(二十三歳)     森山高至 カリー・サンプソン(十九歳) 三輪和音 アレックス(二十三歳)    林和夫 松平忠固(回想)        吉田朱鷺蔵(四十一歳)    氏家信樹 門倉伝次郎(五十二歳)    大矢敏幸  おみつ (十八歳)      三輪和音 弥左衛門(四十歳)      氏家信樹 白人の男 ジョン       ひと:みちゃん 酒場の女 メアリー      三輪和音 ナレーション         三輪和音 日本史別天地 https://www.devision-division.com 編集:三輪和音 音楽協力:メカエルビス -------- 燃えよ!知性の剣も ―和算とLOVEとアメリカと― 江戸時代の日本で和算が世界レベルに発達したことをご存じの方も多いと思いますが、 明治初期にアメリカに留学して、その才能を発揮し、かの地で土木工学の優れた業績を残した松平忠厚(ただあつ)という人物を知っている人は少ないでしょう。 また、最後の上田藩主であった彼の兄の 忠礼(ただなり)も一緒に留学し、苦労の末にラトガース大学を卒業した数少ない日本人の一人だということも知られていません。 幕末の混沌とした時代に上田藩主で老中でもあった松平忠固の子息として生まれ、武家の教育を受け、アメリカで異なる文明、文化と出会い、知性の剣を振るったプリンスの物語をお送りします。 第4作は、幕末の混沌とした時代に上田藩主の子息として育てられ、明治初期に父の松平忠固の遺志に従い、新しい知識を学ぶためにアメリカへ留学した若き兄弟、忠礼(ただなり)と忠厚(ただあつ)の物語です。 鎖国を国是とした日本で開国をめぐり徳川斉昭、井伊直弼と対峙し、実質的に開国へと導いた忠固同様、この兄弟も今まで歴史の表舞台に出ることはありませんでした。しかし、レベルの高い和算の才能を生かし、優れた業績を残した二人はもっと知られてよいと思います。異なる文化の中で苦闘する若き兄弟の物語を今回は立場の異なる男女の関係、人種間の軋轢も描き、大きな歴史の流れの中で国と国の関係にも思いをはせるように描いてみました。 -------- 【あらすじ】 明治に年号が変わる慶応四年(一八六八年)には、まだ甲州街道沿いの村をも巻き込む混乱が続いていたが、新政府が発足した明治初期、アメリカ人宣教師たちの勧めもあり、岩倉具視や勝海舟の子息などが続々とアメリカへ留学をしていた。そのような時、明治五年(一八七二年)亡き父、松平忠固の遺訓に従い、忠礼、忠厚の兄弟は私費でラトガース大学への留学を果たす。グラマースクールで英語の習得に打ち込む二人だが、秀才型の兄と天才型の弟は次第に溝を深めていく。和算と測量の知識に優れ、モニトルと呼ばれるクラス代表に選ばれるほど人望のある忠厚はグラマースクールを予定よりも短期間で切り上げ、他大学へ移り土木工学の研究に打ち込む。兄はラトガース大学の理学部に進み、留年をしながら卒業までこぎつける。兄の忠礼は、父の意思に従い上田藩主を継いだが、兄弟の側室の身分の違いによりお家騒動が起き、また、大政奉還後に自らが下した判断にも苦しむ。やがて忠礼は卒業が決まり、日本への帰国の準備をするが、忠厚は書店の娘、カリー・サンプソンと恋に落ち、駆け落ちをしてニューヨークへ行ってしまう。一八七九年、忠礼は一人、帰国の船に乗る。 -------- #日本史別天地 https://www.devision-division.com 編集:三輪和音 音楽協力: #メカエルビス
『忠優伝』合情記 日本史別天地 第3弾
13-07-2021
『忠優伝』合情記 日本史別天地 第3弾
『忠優伝』合情記 〈合理主義と情の人々を広めるために〉 (日本史別天地より) みなとかおる作 【声の出演】 松平忠優……森山高至 徳川斉昭……アライジン  とし……三輪和音 はる……田所ちさ ペリー提督……林和夫 アダムス艦長……大矢敏幸 吉田朱鷺蔵……氏家信樹 歌橋……鈴木奈津子    御中臈……三輪和音 御錠口……田所ちさ 林大学頭……林和夫 井戸覚弘……氏家信樹 阿部正弘……大矢敏幸 ナレーション……三輪和音 【登場人物紹介】 松平忠優…上田藩第六代藩主。伊賀守。老中として日米和親条約を結ぶ。忠固と改名して日米修好通商条約を結ぶ。 徳川斉昭…水戸藩主。尊王攘夷を提唱し開国、交易に反対する。 とし … 忠優の側室。最後の上田藩主となった忠礼の生母。 はる…  としの侍女。 マシュー・ペリー提督… アメリカの軍人。日米和親条約を結ぶ。 ヘンリー・アダムス艦長… ペリー提督の参謀として来日。 吉田朱鷺蔵(時鞍)…架空の人物。上田藩士。忠優に仕える。 歌橋  … 上臈お年寄り。将軍家定の乳母。 御中臈 … 上臈お年寄りの次の地位の女性。 御錠口  … 御中臈の次の地位の女性 芦田清次郎…上田藩士。養子に行く前の赤松小三郎の名前。兵学者、政治思想家。(会話中のみ) 門倉伝次郎…上田藩士。馬術の専門家。(会話中のみ) 【内容】 松平忠優は、上田藩の藩主として、大凶作、 大地震、洪水などで藩財政がひっ迫する中、 領民に一人の餓死者も出さないという方針で 臨む「公助の殿さま」ともいうべき人物だった。 また、徳川政府の老中として 日本を開国に導く重要な役割を果たしていた。 文化九年から安政六年(一八一二年から一八五九年)は、次々と外国船が押し寄せる日本の激動期に当たる。 ペリー提督が浦賀に来航し、 再来航を告げて沖縄に去る。 忠優は上田藩主として養蚕業を盛んにし、 大坂城代であった時は上田産物会所を作り、 御城代縞と呼ばれる特産品を販売させ、 経済を向上させた。 その時の経験から開国と交易で国を豊かにする政策を進める。 徳川斉昭は、尊王攘夷を主張して、忠優の前に立ちふさがり、武断政治を行おうとする。 それに対して忠優は、日本の防衛力を冷静に判断し「日米和親条約」と「下田三箇条」を結ぶ。 注) 忠優は上田藩士の赤松小三郎と同様に歴史上、もっと知られてよい存在であり、最新の歴史的事実も交えて書きました。 外国との条約をめぐる史実、新事実はあまりにも複雑なので、 架空の藩士「吉田朱鷺蔵(よしだときくら)」を登場させ、創作しました。 *忠優は、忠固と自ら改名し、「日米修好通商条約」も結ぶ。
『忠固伝』合情記 日本史別天地第2弾
〈合理主義と情の人々を広めるために〉
声:森山高至・アライジン・三輪和音・林和夫・大矢敏幸・氏家信樹・鈴木奈津子・田所ちさ
23-03-2021
『忠固伝』合情記 日本史別天地第2弾 〈合理主義と情の人々を広めるために〉 声:森山高至・アライジン・三輪和音・林和夫・大矢敏幸・氏家信樹・鈴木奈津子・田所ちさ
『忠固伝』合情記 〈合理主義と情の人々を広めるために〉 (日本史別天地より)【2021年2月収録】みなとかおる作 登場人物  【松平忠固】…上田藩第六代藩主。伊賀守。老中として日米和親条約を結んだ時は、忠優。罷免され、老中に再任され改名し、日米修好通商条約を調印する。一貫して開国と交易で日本を豊かにする路線を主張。 【井伊直弼】…大老。日本を開国した人物で安政の大獄を起こし、桜田門外の変で暗殺される教科書に記述がある。 【とし】…忠固の側室。忠固の後を継いだ忠礼の生母。 【タウンゼント・ハリス】…アメリカ総領事。日米修好通商条約を結ぶ。 【ヘンリー・ヒュースケン】…アメリカの通訳官。ハリスとともに日本に来訪。後に攘夷派に斬殺される。 【吉田朱鷺蔵(時鞍)】…架空の人物。上田藩士。忠固に仕える。 【以下の二人は話題にのぼるのみで台詞はない。 (門倉伝次郎…上田藩士。馬術の専門家) (赤松小三郎…上田藩士。兵学者、政治思想家。)】                【内容】 松平忠固は、上田藩の藩主として、大凶作、大地震、洪水などで藩財政がひっ迫する中、領民に一人の餓死者も出さないという方針で臨む「公助の殿さま」ともいうべき人物だった。また、徳川政府の老中として日本を開国に導く重要な役割を果たしていた。文化九年から安政六年(一八一二年から一八五九年)の忠固が生きた時代は、次々と外国船が押し寄せる日本の激動期に当たる。ペリー提督の来日後、ハリス総領事が条約を結びに来て危篤に陥る。それを忠固は救う。徳川斉昭、井伊直弼という政治家の反対に会いながら、一貫して開国と交易を主張して日米和親条約と日米修好通商条約を自分の地位を懸けて結んだ。また、養蚕業を盛んにし、海外輸出で日本経済の礎を築いた。 注 忠固は最近、ようやく知られてきた上田藩士の赤松小三郎と同様に知られてよい存在であり、最新の歴史的事実も交えて書きました。アメリカを始めとする外国との条約をめぐる史実、新事実はあまりにも複雑なので、架空の藩士「吉田朱鷺蔵(よしだときくら)」を登場させ、創作しました。 あらすじ 一八五八年、アメリカ総領事、タウンゼント・ハリスは日米修好通商条約を結ぶために日本に滞在していたが、予想を越える困難な徳川政権との交渉の緊張から解放された直後に危篤状態に陥る。徳川政権は蘭方医を派遣し命を救おうと全力を尽くす。上田藩主にして老中であった松平忠固は修好条約に先立つ一八五六年のペリー来航時の日米和親条約でも開国と交易による日本の発展を一貫して主張する。それに対して徳川斉昭、井伊直弼は、開国と条約締結を阻もうとする。条約の勅許問題、次期将軍のお世継ぎ問題が複雑にからむ中で、大奥、時の将軍などに支援されながら、忠固は自らの縁戚である公家筋などの意向も考慮し、条約締結をなしとげ日本を開国へと導く。天保の頃から日本及び上田藩は次々に災害、感染症に襲われ、飢饉にも見舞われるが、忠固は一人の餓死者も出さないという政策で臨む。しかし、家臣たちに扶持米のみで暮らすようにしたことは国元の家老たちに不満の元となる。忠固は条約締結後に老中を罷免されるが、横浜に上田藩の生糸を中心とした貿易拠点を造り、近代経済の基礎を作る。貿易に貢献した商人たちをねぎらい、貿易が好調に始まって間もなく謎の急死を遂げる。 #日本史 #松平忠固 #開国 #幕末 2021年度 #大河ドラマ で扱う時期とも重なっています。
『小三郎伝』合情記・日本史別天地第1弾 みなとかおる 作・出演:氏家信樹・大矢敏幸・森山高至・アライジン・三輪和音
07-10-2020
『小三郎伝』合情記・日本史別天地第1弾 みなとかおる 作・出演:氏家信樹・大矢敏幸・森山高至・アライジン・三輪和音
登場人物 … 声の出演 •赤松小三郎 … アライジン •アーネスト・サトウ… 森山高至 •ヴィンセント・アプリン… 大矢敏幸 •ハリー・パークス… アライジン •トーマス・グラバー… 氏家信樹 •東郷平八郎… 氏家信樹            •ナレーション… 三輪和音 【あらすじ及び参考資料】           一八六七年(慶応三年)に赤松小三郎は京都で三十七歳で暗殺された。その悲劇の起きる前、一八六四年(元治一年)赤松は横浜のイギリス公使館に勤務する騎兵士官アプリン大尉に英語を習う。 イギリス公使館には一八六二年(文久二年)にアーネスト・サトウが赴任して歴代の公使を支え、日本との外交関係を有利にしようとしていた。 一八六五年(慶応一年)に赤松は英語の兵書「英国歩兵練法」をもう一人の侍と共同で翻訳を始めた。一八六六年(慶応二年)徳川政権や上田藩の主君に建白書を提出する。薩摩藩から声をかけられ、京都で英国式兵学の塾を開く。一八六七年(慶応三年)会津藩の山本覚馬の依頼で会津洋学校の顧問となる。公儀、越前の松平春嶽や薩摩の島津久光に議会政治を求める「御改正口上書」を提出した。 そのころ、アーネスト・サトウは友人のトーマス・グラバーが在庫として抱えた大量の兵器の販売先を探していた。サトウは公使のハリー・パークスにはフランスのロシュ公使への対抗心を煽り、日本の若い侍たち、伊藤博文、井上馨、大久保利通、桂小五郎たちには、武力による『革命』を促した。サトウは西郷隆盛や坂本竜馬にも接触し、若い長州の侍たちを利用し、日本を「自覚なき植民地」にすることに成功する。 赤松小三郎は上田藩の下級武士でありながら数学と英語の能力を活かし、日本を立憲主義に基づく「人民平等」の近代国家にしようとしていた。明治が来る前に暗殺された彼の先進的な思想は、兵学の弟子、東郷平八郎に受け継がれ、日露戦争に勝利した。 『小三郎伝』合情記について 二〇二〇年の春、私は新型コロナウイルスの影響による自粛期間中、アーネスト・サトウの『一外交官の見た明治維新』を読み直しました。この本は一九六〇年に全文の翻訳が出されています。以前は気が付かなかったのですが、翻訳者の坂田精一氏の前書きに「終戦前(筆者注一九四五年)は(二十五年もの長い間)わが国では禁書の扱いだった。」とありました。その理由が、かいつまんで言えば「外国人の自由な観察が国民の目に触れることで、明治維新の素晴らしさを強調し国民精神の基盤にしようとする為政者にとって邪魔だったから。」だそうです。そして「討幕の志士や反幕府的な大名などが、サトウの歓心を買うことにつとめたことは第二次大戦直後の日本の政情にも一脈通じている。」ということは現代の日本にも重なります。また、サトウの記述の中に同僚だったアプリン大尉に英語を習った赤松小三郎のことが一行も出て来ないことに疑問を持ちました。赤松はもっと業績が知られ、歴史の教科書に載せるべき人物だと考えますし、上田藩主にして老中だった松平忠固も同様でしょう。この二人は、合理性と情の人々として日本に、世界に広めたい人物だと思って書きました。 ------------------------------------ 『小三郎伝』合情記 参考文献 『赤松小三郎ともう一つの明治維新 テロに葬られた立憲主義の夢』 関良基著  作品社 二〇一六年  『アーネスト・サトウ 一外交官の見た明治維新』(上)(下) 坂田精一訳 岩波文庫版 一九六〇年 第一刷発行 『日本を開国させた男、松平忠固 近代日本の礎を築いた老中』    関良基著 作品社 二〇二〇年 『函館の幕末・維新 フランス士官ブリュネのスケッチ100枚』    中央公論社  昭和六十三年(一九八八年) 「蠣崎波響〈夷酋列像〉フランスからの里帰り展 謎を秘めた幕末期の箱舘」図録 昭和六十三年(一九八八年) 「蝦夷地別件」 ピープルシアター上演台本    原作・船戸与一 脚本・森井 睦 二〇一三年 『西郷隆盛はどう語られてきたか』 原口泉 新潮文庫 平成三十年(二〇一八年) 【2020年9月収録】