『忠優伝』合情記
〈合理主義と情の人々を広めるために〉
(日本史別天地より)
みなとかおる作
【声の出演】
松平忠優……森山高至
徳川斉昭……アライジン
とし……三輪和音
はる……田所ちさ
ペリー提督……林和夫
アダムス艦長……大矢敏幸
吉田朱鷺蔵……氏家信樹
歌橋……鈴木奈津子
御中臈……三輪和音
御錠口……田所ちさ
林大学頭……林和夫
井戸覚弘……氏家信樹
阿部正弘……大矢敏幸
ナレーション……三輪和音
【登場人物紹介】
松平忠優…上田藩第六代藩主。伊賀守。老中として日米和親条約を結ぶ。忠固と改名して日米修好通商条約を結ぶ。
徳川斉昭…水戸藩主。尊王攘夷を提唱し開国、交易に反対する。
とし … 忠優の側室。最後の上田藩主となった忠礼の生母。
はる… としの侍女。
マシュー・ペリー提督… アメリカの軍人。日米和親条約を結ぶ。
ヘンリー・アダムス艦長… ペリー提督の参謀として来日。
吉田朱鷺蔵(時鞍)…架空の人物。上田藩士。忠優に仕える。
歌橋 … 上臈お年寄り。将軍家定の乳母。
御中臈 … 上臈お年寄りの次の地位の女性。
御錠口 … 御中臈の次の地位の女性
芦田清次郎…上田藩士。養子に行く前の赤松小三郎の名前。兵学者、政治思想家。(会話中のみ)
門倉伝次郎…上田藩士。馬術の専門家。(会話中のみ)
【内容】
松平忠優は、上田藩の藩主として、大凶作、
大地震、洪水などで藩財政がひっ迫する中、
領民に一人の餓死者も出さないという方針で
臨む「公助の殿さま」ともいうべき人物だった。
また、徳川政府の老中として
日本を開国に導く重要な役割を果たしていた。
文化九年から安政六年(一八一二年から一八五九年)は、次々と外国船が押し寄せる日本の激動期に当たる。
ペリー提督が浦賀に来航し、
再来航を告げて沖縄に去る。
忠優は上田藩主として養蚕業を盛んにし、
大坂城代であった時は上田産物会所を作り、
御城代縞と呼ばれる特産品を販売させ、
経済を向上させた。
その時の経験から開国と交易で国を豊かにする政策を進める。
徳川斉昭は、尊王攘夷を主張して、忠優の前に立ちふさがり、武断政治を行おうとする。
それに対して忠優は、日本の防衛力を冷静に判断し「日米和親条約」と「下田三箇条」を結ぶ。
注) 忠優は上田藩士の赤松小三郎と同様に歴史上、もっと知られてよい存在であり、最新の歴史的事実も交えて書きました。
外国との条約をめぐる史実、新事実はあまりにも複雑なので、
架空の藩士「吉田朱鷺蔵(よしだときくら)」を登場させ、創作しました。
*忠優は、忠固と自ら改名し、「日米修好通商条約」も結ぶ。