ep36-2 「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか」(岩尾俊兵さん)-デフレとインフレ・時代のメカニズム・カネで人材を釣る-

アワノトモキの「読書の時間」

09-04-2024 • 16分

読書の時間36冊目は、慶應義塾大学准教授の岩尾俊兵さんの著書、「日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか 増強改訂版『日本”式”経営の逆襲』」です。


なお、この36冊目の2話目から放送形態を変更し、

1キーワード=1話、というスタイルになります。

これまではキーワード3つを一気に1話分として放送していたので、45分以上の長時間放送回も多数・・・。


これからは、1話15分程度に短縮化されるので、

よりご負担なく、より身近にお聴きいただけるのでは、と思っております。


さて、本題のキーワード1つ目は「カネ優位・ヒト軽視のデフレ時代」です。


戦後から続いた「インフレの時代=カネの価値が低く、ヒトに価値がある」状況から、

平成のあたりを転換点に「デフレ=カネの価値が高く、人の価値が相対的に下がる」流れになり、そして現在に至る日本。


「昭和の時代は、今みたいに物質的に豊かではなく大変だったけど、みんな仕事を一生懸命やって会社に貢献し、会社も家族のような存在で従業員に報いてくれた。いい時代だった。


それに比べて、今の時代は賃金は上がらないし、会社は従業員の面倒を見てくれないし、非正規労働の問題もある。

やれキャリアオーナーシップだ、リスキリングだ、雇用の流動性を上げるべきだ、人的資本経営だとか、生産性・投資対効果といったカネ勘定が物差しになり、ヒトを大事にしない世の中になった」


ちょっと極端な表現をしてみましたが、

こういった、ある種の本音的な感想を持つ方も一定数いらっしゃるのではないでしょうか。


こう考えていくと、一般的に日本型雇用の特徴として一時期称賛された、終身雇用・年功序列・企業別労働組合、

それらさえも、日本企業の経営者がヒトを大事にしようとして取り組んだからそうなったというよりも、「カネよりヒトの価値が高い」から、力学的にそうせざるを得なかっただけなのではないか。


1990年代に規制緩和で非正規雇用が拡大したことも、一言で言ってしまえば、「ヒトを大事にするより、カネを重視したほうが合理的だよね」と状況変化に対応しただけなのかもしれません。


多くの人には当たり前の知識なのかもしれませんが、

我々的には未知の情報であり、時代の裏側にあるメカニズムの1つを教えていただいた、そんな学び多き内容でした。


次回、36冊目の3話目は、キーワードの2つ目「逆輸入される日本の経営技術」を扱います。

「経営技術」という、聞き慣れない用語・概念も出てきますが、ぜひ楽しみにしていただければと思っています。

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