ep26-3「地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場 」(北川亘太さん /比嘉夏子さん/渡辺隆史さん)

アワノトモキの「読書の時間」

23-06-2023 • 30分

さて、今回は「地道に取り組むイノベーション―人類学者と制度経済学者がみた現場」のこぼれ話です。

この作品に関連して、参考図書として粟野さんが読まれた「認知資本主義」という本から、コーチングの闇についてをご紹介します。ちなみに、粟野さん自身も6-7年前からコーチングに通い、星野もコーチングの本を書くなど、関わりの深い分野。

コーチングは、19世紀のアメリカにて、クリスチャン・サイエンスの亜流であるニューソート運動が源流になるとのこと。クリスチャン・サイエンスは、キリスト教系の新宗教で神秘体験と結びついたものです。神の救済にあずかる者と滅びに至る者が予め決められているとするカルヴァン主義への反発が重なり、ニューソート運動という霊的な運動が起こりました。ただ、一般のキリスト教信者には受け入れられ難いものだったため、一般に受け入れやすい形で現れたのが自己啓発とのこと。カーネギーやナポレオン・ヒルなどですね。そして、自己啓発が現代風にアレンジされたものがコーチングの起源だそうです。

コーチング業界では、源流のニューソート運動やクリスチャン・サイエンスがやや怪しいものかつ、その出自が隠されがちであることが問題なのではないかと考える粟野さん。星野としては、コーチングが怪しいと思われていること自体が問題かと考えています。それは、コーチングの型から抜け出せず、コーチングは絶対に正しいと言う人たちがいるからかもしれません。

この辺りは様々なご意見のある所かとは思いますが、今回のコーチングの出自のように、ものごとの歴史・由来を知ることは面白く、かつ大切なことでもありますね。

いかがでしたでしょうか。ご自身でも読まれた方はぜひ感想をお寄せください!


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